『成功者がしている100の習慣』
- 著者
- ナイジェル・カンバーランド [著]/児島 修 [訳]
- 出版社
- ダイヤモンド社
- ジャンル
- 社会科学/社会科学総記
- ISBN
- 9784478106136
- 発売日
- 2020/09/10
- 価格
- 1,760円(税込)
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
はっきり「ノー」と言おう。成功するために意識したい「2つの習慣」
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
成功とは、目的や目標、夢、希望を実現することです。 その定義は一人ひとり違います。
ある人にとっては大きな夢でも、別の人にとっては興味のないものもあります。
有名なシェフになりたい人もいれば、料理嫌いの人だっているのです。
つまり「成功した人生」とは、自分にとって大切な大小様々な夢や目標を多く達成した人生だと言えます。
(「はじめに 成功の可能性を最大限に引き出す『マインド』と『行動』」より)
『成功者がしている100の習慣』(ナイジェル・カンバーランド 著、 児島 修 訳、ダイヤモンド社)の冒頭にはこう書かれています。本書は、読者の成功を大きく手助けするために書かれたものなのだとも。
著者は、企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングを行っている人物。
本書のアイデアは、15年以上にわたり世界中のさまざまな人々にコーチングをしてきた経験から生まれたものなのだそうです。
大勢の人々が抱える問題の解決に取り組むなかで気づいたのは、「成功する人には年齢や分野を問わず共通する習慣がある」こと。
それらのなかから最も重要な100種を厳選し、読者の成功に役立つ情報として伝えようとしているわけです。
果たして、どんなことが書かれているのでしょうか?
仕事をするうえで役立ちそうな、2つのトピックスをピックアップしてみることにしましょう。
言うべきときは、はっきり「ノー」と言う
成功する人はきっぱり「ノー」と言うことができ、
成功しない人は本心では「ノー」なのに口では「イエス」と言う
「他人に“イエス”と言うときは、自分に“ノー”と言っていないことを確認すべきだ」
――パウロ・コエーリョ(ブラジルの作詞家、小説家)
(71ページより)
「イエス」と言うのは素晴らしいこと。しかし、本心の「ノー」に嘘をついて「イエス」と口にしたとしても、よい結果は望めないものです。
「どこへいくか」「なにを食べるか」と言った日常生活の選択をするとき、私たちは他の誰かの意見ばかりを優先させてしまうことがあります。
ところが自己主張しないことが習慣化してしまうと、まわりから軽く見られてしまうことに。
したがって、どんなに小さなことでも、自分の考えを述べることが大切だと著者は言います。まわりに合わせてばかりだと自尊心や自信を保ちにくく、健全な生き方にはならないからです。
特に人生の重要な決断をするとき、心で「ノー」と叫びつつ、口では「イエス」と答えてしまうとしたら大きな問題。心の声に反して生きると、夢や目標を達成するチャンスを逃してしまうから。
実践しよう! <断る>
バランスをとる
毎回、他人の要求を受け入れることは不可能。相手がそうであるように、自分自身にも重要なことはあるはずだから。
そのため、会社や家庭で気が進まない頼みごとをされたときには、はっきり断る習慣をつけるべき。
誰かのために、自分のすべきことやしたいことを我慢していたら、都合のいい人間だとみなされるだけ。それは自分にとっても相手にとっても健全ではないのです。
冷静に「ノー」と言う
とはいえ断るときは、大声で「ノー」と叫ぶ必要はなし。
自分の事情を相手に伝え、理解してもらうように努めればいいわけです。(58ページより)
大切なことに集中している
成功する人は一つのことに集中し、
成功しない人は同時にいくつものことに手を出す
「ミツバチは刺すことと蜂蜜づくりを同時にはできない」
――エマニュエル・クリーバー(アメリカの下院議員)
(92ページより)
成功するには、時間とエネルギーをひとつのことに集中させなければならないもの。
世界を変えようという壮大な目標を持っているときも、別のアパートに引っ越そうという小さな目標を持っているときも、それは同じ。
誰しも、生きていくために「しなければならないこと」をたくさん抱えていますが、それでも工夫次第で集中は保てるもの。
一度の複数のことに手を出さず、ひとつひとつ、集中して目の前の仕事を片づけていけばいいのです。
それぞれの活動に細心の注意を払うことで、私たちは成功を大きく引き寄せることが可能に。一方、複数の仕事を同時進行させる「マルチタスク」では、効率が落ちることがわかっているそうです。
実践しよう! <集中>
一度に一つのことに集中する
同時にいくつものことをやろうとすると、すべて中途半端になってしまいます。
どんな行動であれ、それに10分間を費やすのなら、その時間はそのことだけに100%集中すべきだということ。
無理な頼み事は断る
頼みごとを安請け合いばかりしていると、自分の仕事が疎かになるもの。無理なときは、穏やかにていねいに、でも、きっぱりと断ることを習慣にすべき。
大切なのは、どんなときに求めに応じるか、断るか、自分のすべきこととのバランスをとることだと著者はいいます。(92ページより)
*
自分の目標や夢と照らし合わせつつ、本書に書かれていることを実践してみれば、やがて成功へと段階的に近づいていけるのかもしれません。
きわめて実践的な内容なので、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか?
Source: ダイヤモンド社
Photo: 印南敦史