<書評>『シン・談志が死んだ 立川(たてかわ)流はどこへ行く』立川談志+落語立川流一門 著

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シン・談志が死んだ 立川流はどこへ行く

『シン・談志が死んだ 立川流はどこへ行く』

著者
立川 談志 [著]/落語立川流 一門 [著]
出版社
小学館
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784093891417
発売日
2023/11/21
価格
2,530円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

<書評>『シン・談志が死んだ 立川(たてかわ)流はどこへ行く』立川談志+落語立川流一門 著

[レビュアー] 篠崎弘(音楽評論家)

◆憎らしいけど死なない

 立川談志は1983年、弟子の真打昇進試験の結果に反発して東京落語の最大の団体である落語協会を脱会し、落語立川流を作った。自らが家元になり、弟子に上納金を課す独自の家元制度。当時の一門は真打6人、二ツ目6人だった。

 それから40年。生前の談志に会ったことのない孫弟子も増えて一門は真打31人、二ツ目22人の大所帯になった。その一門が2011年に亡くなった談志の十三回忌にあたる23年11月に出したのが本書だ。最古参の土橋亭里(どきょうていりゅ)う馬(ば)の前口上から、著書30冊を数え書評家としても知られる談四楼の後口上まで。談志の語録も収められている。

 談志は生前の03年に『談志が死んだ 立川流はだれが継ぐ』を出している。没後の12年には談四楼の『談志が死んだ』が出た。本書はそれらに次ぐ出版だ。談志を偲(しの)ぶ弟子の著書も数多い。こんなに追悼本が出続ける落語家は近年他にいない。本書でも毒蝮三太夫がこう書いている。「談志はね、憎らしいけど、没後何年経(た)っても死なないんだよ。しぶといね」

(小学館・2530円)

立川談志 1936~2011年。落語家。1971~77年、参院議員。

◆もう一冊

『談志が死んだ 立川流はだれが継ぐ』立川談志、落語立川流一門著(講談社)

中日新聞 東京新聞
2024年2月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

中日新聞 東京新聞

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