『「日本型学校主義」を超えて』
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『「日本型学校主義」を超えて』戸田忠雄著
[レビュアー] 産経新聞社
大学入試、英語力アップ、いじめ対策…。矢継ぎ早に打ち出される「教育改革」だが、場当たり感は否めず、成果も見えにくい。
学校現場の表も裏も知り尽くす元高校教師の著者は、改革を阻む壁を「日本型学校主義」と呼び、その体質を〈与える教育〉〈教師本位〉〈集団的一斉主義〉の3要素に分解する。教育委員会は「開かれた学校」を掲げるものの、内申書支配のもと子供を“人質”に取られた保護者側は本音を封印せざるを得ない。提示される処方箋は、生徒・保護者による匿名での学校評価制度。「教室のセンセイ君主」に必要なのは口に苦い良薬だ。(筑摩選書・1700円+税)