バズらせるために知っておきたい、「8×3の法則」とは?

レビュー

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共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則

『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』

著者
上岡正明 [著]
出版社
朝日新聞出版
ISBN
9784023315709
発売日
2017/01/20
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

バズらせるために知っておきたい、「8×3の法則」とは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』(上岡正明著、朝日新聞出版)の著者は、放送作家として活躍したのちにPR会社を立ち上げ、200社以上の企業ブランド構築やPRを手がけてきたという人物。そのような実績をもとに、本書の冒頭では「バズる」という言葉に触れています。いうまでもなく、商品やサービスが「クチコミ」の力で爆発的に広まることを意味する言葉。

今や、世の中を動かしているのは、クチコミが先で、テレビや新聞が後。(中略)人から人へ伝わるクチコミはもちろんですが、今は、ネットのニュースやブログ記事、あるいは、Instagram、Facebook、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上から広まる”ネットクチコミ”の威力も絶大です。
「これからのPR」では、こうした新しいメディアを上手に使いながら、新聞やテレビなど旧来のメディアを巻き込むことが求められます。
もっと言えば、これからのPRは、売り手主導で、能動的にバズらせることができる。(中略)というより、受け身になっていては出遅れてしまいます。(「プロローグ 共感されるか。世の中がどう動くかの指標は、この一点だ!」より)

現代においては、「バズらせられるかどうかが勝負」だということ。いいかえれば、これまでなかなか売れなかった商品やサービスでも、いくつかのコツを押さえれば一気に広められるわけです。つまり、そのコツを明かしたのが本書。

そして「どうやって広めるのか」を体系づけたものが、本書で紹介されている「8×3の法則」です。著者が編み出したこの法則を理解して応用すれば、拡散される可能性は飛躍的に高まるのだそうです。それは、どのようなものなのでしょうか? 第2章「消費者が黙っていられない情報をつくる! 『8×3の法則』を確認してみたいと思います。

「8×3」の法則でバズるチャンスを高める

著者によれば、「8×3」はバズる効果を最大限に高める法則。「8」と「3」は、次のようなことを意味するそうです。

自社の商品やサービスの強みを探る(8)
×
消費者に受け入れられるか検証する(3)
(65ページより)

「8×3」のうちの「8」とは、1の「新規性」から8の「地域性」までの8つの性質を指すもの。自分たちがPRしたい商品やサービスの強みが、この8つのうち、どれに該当するかを考えていくということ。ここで自社の商品やサービスの強みを探り、「どこが優れているのか」「他者よりも抜きん出ているところはなにか」を明確にしていくわけです。

なおPRの現場において、一般的には強力な順に1から8の番号をつけているそうです。ただし1の「新規性」は不動であるものの、2~8は順番が変わったり、組み合わせて効果を高めたりもできるのだとか。そして新規性には、2~8の性質が含まれていることもあるといいます。

そのあとで、この「8」で洗い出した強みが、果たして消費者の立場に立ったとき本当に求められているのかどうかを考えていく。それが、「8×3」の「3」の部分。「3」は、社会、人(ターゲット)、メディアの3つ。社会が求めている情報か、ターゲットとなる消費者に本当にアピールできる情報か、メディアが取り上げたくなるような情報か、その3つの視点で考えるということ。

「8」で企業(自社)視点で強みを洗い出し、「3」の消費者視点で「8」の性質を客観視して確認するわけです。(66ページより)

いわば、いったん「8」で洗い出した情報を「3」で揉むという、ひと手間加える感覚。この「3」の一手間が、企業側のひとりよがりを防ぎ、その結果、バズりやすくなるということ。こうした「8×3の法則」をもとに、自社の商品やサービスの強みを整理し、それを材料にして、発信する情報やプレスリリースを作成していけばいいという考え方です。では、「8×3」の「8」と「3」について、それぞれを確認してみましょう。(63ページより)

「8×3」の「8」

本書では「8×3の法則」の「8」、それぞれについての質問項目が紹介されていますが、これは8つのポイントを把握するうえでとても簡潔な内容になっています。

1. 新規性
そのサービスや商品にはナンバーワン、オンリーワンだと言える何かがありますか?
それは、世界中や日本中、業界内で初めての試みですか?

2. 優位性
競合や既存のサービスと比べて、明らかに違っていたり、優れている(優位性がある)ことはなんですか?

3. 意外性
知人や顧客に話したら、「へぇ」と感心される、「ホントに!?」と驚かれた、「まさか! 信じられない! 冗談でしょ?」と笑われたことはありませんか?

4. 人間性
開発や販売などに深く関わる人や経営者のエピソード及びストーリーはありますか?

5. 社会性
世の中の流行やトレンドに重ね合わせることで、人々の興味や関心を喚起できることはありますか?
「社会ごと」に変えられるキーワードがありますか?

6. 貢献的意義
その商品やサービスについて社会や世の中の問題解決に役立つことはありませんか?

7. 季節性
季節との関連性がある、または制定されている記念日や日にちの語呂などに掛けられるテーマはありませんか?

8. 地域性
その地域限定やエリアならではの特徴はありませんか?
(140ページより)

この8つについて書き出し、自社の商品やサービスがどこに該当するのか、いくつ該当するのか検討していくということ。そして、これらを精査したら、続いて「8×3」のうちの「3」と照らし合わせていくということです。

「8×3」の「3」

「8×3」の「3」は、「8」で洗い出した「企業側の視点で見た商品やサービスの強み」が、消費者視点に置き換えて見ても強みといえるのかどうかを確認・検証するためのもの。ここまでつくり上げてきた情報を、社会、人(ターゲット)、メディアの視点を意識しつつ、「いかに世の中を動かすトレンドやムーブメントとして受け入れられるようにしていくか」という視点で、商品やサービスのPRポイントを確認できるわけです。

その方法は具体的に、1.「社会の視点(社会が求めている情報か)」、2.「人(ターゲット)の視点(ターゲットとなる人に、本当にアピールできる情報か)」、3.「メディアの視点(メディアが取り上げたくなるような情報か)」の3つ。この3つの角度で見なおして見るということです。

3つの視点すべてにおいて、企業側の視点と消費者側の視点にズレがなければ、その情報は極めて「求められている情報」、つまり『バズる』要素を持った情報だと言えるのです。(146ページより)

社会が求めている情報か、ターゲット層が欲しがる情報か、メディアが思わず取り上げたくなるような情報か。「8」の要素に「3」を掛け合わせてみれば、「なにをどのような形でプッシュすべきか」のポイントがくっきりと見えてくるということ。

ただし、もちろんすべての情報がこの3つの視点を満たすとは限らないもの。強制的に視野を外に向けるために、最後のチェックポイントだと考えるべきなのだそうです。(142ページより)

こうした基本的な考え方を踏まえたうえで、以後は実践的な話へと進んでいきます。そのため、とても応用しやすい内容だといえるでしょう。PRに携わっている方は、手にとってみると気づきが得られるかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2017年1月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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