NHK連続テレビ小説のモデルにもなった花森安治初の挿画集。食器・家具・衣服など身の回りのものや女性らを綿密に、ときにユーモラスにスケッチ。初代編集長を務めた『暮しの手帖』などに掲載された500点余りの挿画は、描かれて半世紀以上たっても古さを感じない。
大政翼賛会の宣伝部に勤務経験のある花森は終戦後、平和の尊さを訴え、暮らしの復興への願いを雑誌に込めた。「必要なものは、美しい」など珠玉の言葉とあわせ読み進めれば、花森が考える「美しい暮らし」をイメージできる。
題名どおり、装丁も美しい。(暮しの手帖社・1600円+税)
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2017年5月14日 掲載
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