動物園で注目もされず、静かな日々を送るイノシシの万次郎。唯一のファンで、画家志望のエリは万次郎の絵本でもうけ、万次郎を自由の身にするという。万次郎とエリ、飼育員の星野による絵本づくりが始まる…(表題作)。
遠い宇宙からのメッセージをきっかけに西暦を廃止することになった地球。「ぼく」は新たな暦に変わる大みそかに一緒に過ごす「真の友だち」を探す(「親友」)。
ファンタジー、シュール、コミカル…。全6編、それぞれ描かれる不思議世界に浸りつつ、主人公とともに新たな視点に気づかされ、少しホッとできたりも。(光文社・1600円+税)
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2017年6月11日 掲載
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