『詭弁論理学』
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論理とパラドックスの見映えはうり二つ
[レビュアー] 図書新聞
凝り固まった脳みそを柔らかくしてくれるロングセラーに、新たに「鏡をめぐっての会話」を付して改版。「論理学」というタイトルだが、しかめっ面でページをめくる必要はない。出題は短めで、むしろ「お、簡単!」と思えるものばかり。とはいえ掲載されている論理パズルは、いざ解こうとすると、なかなかの難敵ばかり。脳みそだけでなく、全身の血流がよくなってしまうほどである。論理とパラドックスの見映えはうり二つ。そこに面白さを見出すもよし、逆手にとって詭弁を駆使して相手をねじ伏せるもよし。「「だから、官憲も婦女子も、無差別に殺せ」/というのが結論であれば(中略)、「あなたの考え方には、ついていけません」/反論はこれで十分である」。詭弁に対するこの心構えがますます重要である。(4・25刊、二二六頁・本体七二〇円・中公新書)