よくぞ書いてくれた

レビュー

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原発事故と「食」

『原発事故と「食」』

著者
五十嵐 泰正 [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784121024749
発売日
2018/02/22
価格
885円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

よくぞ書いてくれた

[レビュアー] 図書新聞

 よくぞ書いてくれた。本書を読了後、まず出てきた思いである。本書は、社会学者の著者が、その専門のみに閉じこもることなく、多くの調査データをもとに、3・11以後の「食」の問題を扱う。内容は多岐にわたるが、キモとなるのはいわゆる「風評」と、差別を論じた部分だろう。また、いわゆる「ゼロベクレル派」は、本書を快く思わないかもしれない。しかし、本書オビに「不毛な対立を乗り越えるために」とあるが、著者の「現場」からの思考を織り込んだ本書は一読に値することを保証したい。いまだ、福島第一原発の廃炉への道は遠い。しかし、これも本書オビにあるように、「震災から7年 今なお問題をこじらせるものは何」なのか。一度立ち止まって考えてみたい。七年前はまだ幼かった、いまの大学生くらいの人たちにもぜひ手に取ってほしい一冊だ。(2・25刊、二二二頁・本体八二〇円・中公新書)

図書新聞
2018年3月31日号(3345) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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