「新宿のルーツ」はかつて存在した宿場の内藤新宿。歌川広重の「名所江戸百景」でも描かれたが、“馬糞(ばふん)新宿”と呼ばれ馬糞の臭いが著しかったという。
明治18年、市街地から離れた甲州街道と青梅街道の間の雑木林の中に誕生した新宿駅。乗降客の少ない寂しい駅が、現代では1日約350万人の乗降客がある日本一の駅となった。周辺にはデパートが進出して発展。駅西口の浄水場があった場所は東京都庁の高層ビルに。公園ではアングラ演劇が気勢を上げた。
複雑な歴史が積み重なる街の記憶を探る。(橋口敏男著、平凡社新書・920円+税)
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2019年6月16日 掲載
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