『究極の思考実験 選択を迫られたとき、思考は深まる。』北村良子著
[レビュアー] 産経新聞社
人生は選択の連続だ。ランチは何にしようという些細(ささい)なものから、大事故の際のトリアージなど究極の選択を迫られる日もある。
本書では、人の命をテーマにした「トロッコ問題」など多くの思考実験を取り上げ、ポイントをわかりやすく説明。自分ならどうするか考えることも有意義だが、異なる選択をした人の意見も思考を深めるきっかけになるだろう。
先日、山口県の小中学校の授業で「トロッコ問題」が扱われたことが賛否を呼んだ。小学生だと少々重い題だったかもしれないが、正解のない問題を議論する時間はなくさないでほしいと願う。(ワニブックス・1200円+税)