「子育てでイライラしても自分を責めなくていい」 子どものために親が“しなくていいこと”

対談・鼎談

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いい親よりも大切なこと

『いい親よりも大切なこと』

著者
小竹 めぐみ [著]/小笠原 舞 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784103506218
発売日
2016/12/16
価格
1,320円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ゴボ天さん×小竹めぐみさん×小笠原舞さんスペシャル鼎談

[文] 桧田真理子(ライター・幼児教室講師)

良い親になろうと頑張らなくていい

小竹 私たちはそれぞれ親という顔を持っていますが、保育士という職業柄、知れていて良かったと思うのは、「大人が思うよりも、はるかに大きな生きる力を子ども達は持っている。子どもの力って本当にすごい!」ということ。それを知っていて、彼らを信じているからこそ大きな不安には襲われることは、そんなにありません。
 子どもは、ちゃんと自分で考えられるし、感じている。だからこそ、「そのまんま大きくなる」お手伝いをしてあげるのが大人の役割なのかな、と。大人は、子どもを“良い子”に育てようとしなくて良いし、“良い親”になろうと頑張りすぎなくて良いのだと思います。

小笠原 子どもはもともと「考える力=探求する力」を持っている。大人が全部やってあげてしまうことで逆に失われて言ってしまうことも。生きる力を身につけるためには、大人が一歩引いて、見守ることが大切だと感じています。

小竹 そういえば、ちょうど先日、子育てって大恋愛の状態に近いかも? と思ったんです。本気で人を好きになると「こんなの私らしくない」とか「ああ、なんでこんなこと言っちゃたんだろう」とか、盲目になるって言いますよね。ちょっとしたことで一喜一憂したり、一緒にいると「はあ~」ってため息が出たりする。それなのに、会ってないと「何してるかな」って考えて写真を眺めたり(笑)それ、まさに今の自分だなーと。
 目の前の愛しい存在に振り回されて、心も身体もへとへとになりながら。それでも日々を生きていく……。この本はそんな大人の皆さんに捧げたいサポート本なんです。

ゴボ天 世の中に出ている子育て本は、「男の子の育て方」や「○歳までの育て方」「〇〇な子どもにするために」など、子どもの「育て方」の本が多いなと感じていて。
「大人はこういう気持ちでいたらいいよ」と、親側の気持ちの部分に触れた本って、あまり読んだことがなかったので、余計に心に響いたのかなって思います。やっぱり「しなくていい」っていうのがすごく良いですよね。「あれもこれもしなきゃ」とプラスしていくのではなく、マイナスの考え方を知ることができたのはありがたかったです。

小竹 私自身、本の最後にある「人間らしい毎日を」の文によく救われています。ママやパパである前に“ひとりの人間”。喜怒哀楽いろんな感情に心が揺れて、毎日大騒ぎですが、「なんか人間らしい今日だったな」って自分自身を認めながら過ごしています。

小笠原 こうやってお互いに子育ての話をする取材って今までなかったので、今日はなんだか新鮮でした。子育てを通して思うのは、自分たちの状況や感情と常に向き合いながら、試行錯誤していく日々だなと言うこと。それが家族の個性を形づくっていく。そもそもそれが、“生きること”そのものなんだろうなと最近、再認識できました。
 家族の形や子育て自体に良い悪いはなく、こういうのもあるよ! と1つの選択肢として、私たちのリアルな子育ての話を伝えていくのも面白いなと思っています。

新潮社
2019年11月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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