『おいしい酒肴(おつまみ)は白飯にも合う。』
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この一冊があれば年末年始のステイホームは準備万全
[レビュアー] 立川談四楼(落語家)
第3波と呼ばれる新型コロナウイルスの猛威の中、大都市では飲食店がまたも時短営業を求められ、さらに馴染みの店が消えるのではとの心配があります。
大部分の会社の忘年会が中止になり、おそらく新年会もそうなるでしょうから、どうしたって家飲みということになります。そこで本書を手にしたわけですが、タイトルが示す通り、左党のみならず、下戸、つまりごはん党にも有益な一冊なのです。
レシピのカテゴリは、さっぱり酒肴、こってり酒肴、ストック酒肴、ジャンク酒肴、好きな野菜酒肴と5種に分かれ、全55品の料理がカラー写真で紹介されていて、それらがことごとく旨そうなんです。
さっぱり酒肴の小松菜の出汁浸しには「お尻5秒+葉10秒」とのコツがコピーで添えられ、さすがは「男子ごはん」の人だと納得です。料理に疎い男子は菜の茹で方なんて知りませんからね。「沸騰させずに、ゆっくり、じっくりと」は湯豆腐。「まんべんなく、塩をまぶしたら、ラップをかけず、そのまま冷蔵庫へ」は干さずにおいしい一夜干し……。
こってり酒肴の極意とは?
1動物性の脂が多め 2からみつく味つけ 3噛むと、あふれ出る肉汁 4(調理の)油をケチるな
と具体的な指示があり、作り手を奮い立たせます。そうです、その気にさせるのです。
最後は著者の「好きな野菜ベスト5」ですが、順位が私と違うことに驚きつつ、新鮮でした。それでいいんですよね、好みは個人的なものですから。
この一冊があれば、年末年始のステイホームは準備万全です。これに年越そばと雑煮、そして少々の酒があれば外出の必要はありません。クリスマスの賑わい(賑わうか?)もテレビで間に合うし、密になるであろう初詣さえ行かなくていいのです。それより皆さん、何とか無事に新年を迎えましょう。