悩みやネガティブ思考に囚われたときに意識を変える方法

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「悩みすぎる」人のトリセツ あなたとまわりの不安を一瞬で0にする

『「悩みすぎる」人のトリセツ あなたとまわりの不安を一瞬で0にする』

著者
大嶋信頼 [著]
出版社
秀和システム
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784798062945
発売日
2021/03/04
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

悩みやネガティブ思考に囚われたときに意識を変える方法

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

不安や悩みは誰にでもあるもの。結果として、“悩みすぎる人”になってしまうことも考えられるかもしれません。しかし、心理カウンセラーである『「悩みすぎる」人のトリセツ』(大嶋信頼 著、秀和システム)の著者は、このことについてこう指摘しています。

“悩みすぎ”は伝染してしまうのだと。

相手が悩みすぎる人だと気がつかないうちに巻き込まれて、いつの間にか相手の影響を受け、自分が「悩みすぎる人」になってしまうのでしょう。

本来の自分は、サバサバしていて、悩まず、大胆に物事を決められるはずなのに、悩みすぎる人の影響を受けて、気がついたら悩みすぎる人になってしまう。家族とかに、悩みすぎる人がいて「こんなふうに悩みすぎる人にはなりたくない!」と思っていたけど、悩みすぎる自分自身に嫌気がさしてしまうのです。(「はじめに」より)

そんなことがあるとは、にわかには信じがたいことでもあります。とはいえ、もし本当にそうなのだとしたら、“悩みすぎる相手”との距離のとり方やことばの選び方が重要なポイントになってくるはず。

そこで本書において著者は、周囲もしくは自分の不安や悩みを解消するうえで大切なことをまとめているわけです。

きょうはそのなかから、第1章「心配事の大半は頭の中でしか起こらない」をクローズアップしてみたいと思います。

「起こってもいない」将来の不安を拭う方法

たとえば「病気になったらどうしよう?」「病気で職を失ったら、自分はどうやって生きていけばいいんだろう?」というように、起きてもいないことを考え、必要以上に不安を感じてしまう人がいるものです。

その姿を見た周囲の人が「不安なんだったら、そうならないように気をつけたり努力したりすればいいのではないか?」と感じていたとしても、当人は「不安で動けない状態」になってしまうわけです。

著者によれば、そんな「将来が不安になってしまう人」のなかでは、“不幸な未来”が完結してしまっているのだそうです。だから、「自分には打てる手がなく、動けない」となってしまうというのです。

しかもそういう人は、周囲が「その不安を解消して、動けるようにしてあげよう」とすればするほど、「いや、でも、だって」と否定方向に走ってしまい、動けなくなってしまうのだとか。

どんなに素晴らしいアドバイスをしても、次から次へと“不幸な未来”をつくり出していくということです。

だとすれば、「なんとかしてあげたい」と感じている側が逆にストレスを感じ、苦しくなっていくのも無理はないのかもしれません。

何もできず、ただ苦しんでいる人を見ているだけとなるから相手よりも苦しくなる、という感じで、相手のストレスを請け負ってしまいます。

だから、管理職にある社員のほうが、一般社員よりもストレスが多く、胃潰瘍になってしまう可能性が高いのです。

そのため、起こってもいないこと、ありもしないことで不安になっている人には「近づかない」で「相手を見ずに、苦しみを請け負わないようにする」ということが必要です。関わってしまったら、相手の苦しみを相手以上に請け負うことになるからです。(34ページより)

「近づかない」とは、なんだか冷たいようにも感じます。が、著者はそうは考えていないようです。

「本人の頭のなかだけで起こっている不幸」は現実の世界で起きているわけではないので、他人に解消できることではありません。したがって、起きてもいないことを頭のなかで考えてしまう人には、「必要以上に」関わらないほうがいいというのです。(32ページより)

「相手の孤独」を理解できれば解消できる

とはいえ「関わらないようにしよう」としても、それは現実的に難しいこと。したがって、そんなときは「相手の頭のなかの世界を探ってみよう」と発想を切り替えればいいのだそうです。それは、「起こってもいない世界」について相手の話を聞き出しながら、自分の頭のなかで構築していくことだそう。

相手から「もしも病気になったら…」「もしも職を失ったら…」「もしも職場の人から嫌われたら…」などといわれると、私たちは多くの場合、「まだ起きてないじゃん。そんなことを考えても仕方がない」と反応したくなるのではないでしょうか?

しかしそれは、「そんなことを考えるのは時間の無駄」「そんなことをしたら余計になにもできなくなる」と、一方的に相手の考え方を否定してしまうことでもあるわけです。

でも「相手の頭の中の世界を、相手の話を聞き出しながら、自分の中で作ってみる」と「あ! こういうことで不安になっていたんだ!」と、不安になっている理由がわかります。

相手の世界が「これじゃ、不安になるよね!」と理解できるのです。(35ページより)

たとえば相手が「病気になったらどうしよう」という不安を抱えていたとき、「どうして病気になることが不安なの?」と聞いてみても、最初は漠然とした答えしか返ってこなかったとしましょう。

しかし、さらに掘り下げていった結果、「過去に父親が病気で仕事を失ってしまい、そのため家族が苦労した」という話が出てきたとしたらどうでしょう? その場合、相手の本心に近づけたことになるはずです。

そこまで行けば、「なるほど」と“相手の世界”が少しだけ理解できるようになるかもしれないということ。

また、さらに質問を重ねていった結果、「母親から『あんたは父親に似ている』といわれ続けてきたから、自分も病気になるのかもしれないと恐れている」という答えが返ってきたとしたら、さらに納得できるかもしれません。

そこまでいくと、「将来の不安」で苦しんでいた相手の気持ちが軽くなっていくことも考えられると著者はいいます。

なぜならその人は、「誰からも自分の不安を理解してもらえない」という“孤独”を、ちゃんと聞いてもらい、不安を理解してもらうことで解消することができるから。

そうして孤独から解放された結果、孤独をつくり出していた「起こり得ない世界」から「現実の世界」へと戻ってこられるというのです。(34ページより)

悩みすぎる人から解放されることで、自分もまわりもどんどん悩みから解放されると著者は断言しています。その結果、精神的に自由になり、自分らしく生きられるようになるとも。

「どうも悩みすぎてしまう」という自覚のある方は、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。

Source: 秀和システム

メディアジーン lifehacker
2021年3月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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