『「それから」の大阪』
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『「それから」の大阪』スズキナオ著
[レビュアー] 産経新聞社
東京から大阪に移住してきた著者が、大阪を歩き見聞した記録。ウェブサイト「集英社新書プラス」の連載を一冊にまとめた。
誇張されたコテコテの大阪を演じている街・道頓堀は、新型コロナウイルス禍で人通りを失った。3年後の万博会場になる人工島・夢洲(ゆめしま)の景色は今も広漠としている。東大阪市の石切劔箭(つるぎや)神社周辺の神秘的かつ、ほのかに怪しげな空気。淡々とした筆致が等身大の大阪を浮かび上がらせる。
「それから」大阪はどう変わったのか―。将来そう顧みるときに備え、大阪の「今」をとどめておこうという思いを感じる。(集英社新書・924円)