【気になる!】文庫『正岡子規ベースボール文集』復本一郎編

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【気になる!】文庫『正岡子規ベースボール文集』復本一郎編

[レビュアー] 産経新聞社

明治期の俳句と短歌に革新をもたらした俳人で歌人の正岡子規は野球をこよなく愛した。本書は野球にまつわる子規の俳句や短歌、随筆、小説などをまとめた文集。編者は子規研究の大家として知られる産経新聞「テーマ川柳」の選者だ。

本書の解説の中で編者は子規の随筆に記された言葉「我々ボール狂」に着目。「ボール狂」とは「『野球狂』にほかならない」と説明し、野球愛の深さを読み解く。文中のわずかな言葉も見落とさない編者の鋭い着眼点が光る。子規は今年10月14日に生誕155年を迎える。節目を前に、魅力に触れてみるのも一興だ。(岩波文庫・462円)

産経新聞
2022年9月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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