『新装改訂版 染司よしおかに学ぶ はじめての植物染め』吉岡更紗著
[レビュアー] 産経新聞社
「染司(そめのつかさ)よしおか」は江戸後期から続く京都の染色工房で、著者は6代目当主。工房は先代の頃から化学染料を一切使わず、古来の植物染めに取り組んできた。
本書は、植物染めの技法を各工程の写真付きで解説。染めの初心者にも分かりやすい。最初はタマネギやドングリ、ヨモギ、コーヒーなど身近な染料を使い、徐々に刈安(かりやす)や蘇芳(すおう)、紅花、藍といった本格的な染料に挑んでいく。
植物染めというと、くすんだ色合いのイメージがあるが、いにしえから伝わる染料と技法でも、十分に鮮やかで透明感のある色が出せるのだと分かる。(紫紅社・2200円)