『海の向こうでニッポンは』
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『海の向こうでニッポンは』井上章一著
[レビュアー] 産経新聞社
国際日本文化研究センター(京都市)所長で風俗史を研究している著者が、平成30年から令和4年まで産経新聞夕刊に連載したコラムなどを収録している。
ブラジルの害虫駆除会社「キョウト」、イギリスのアリ駆除薬「ニッポン」など海の向こうの日本を考察しながら、日本との意外なつながりを浮かび上がらせる。
2001年の米中枢同時テロで狙われたワールドトレードセンターは日系人が設計し、アラビア風の意匠を施した「東西両洋の橋渡し」と書く。なぜ狙われなければならなかったのか。行間から建築史家でもある著者の矜持(きょうじ)がにじむ。(平凡社新書・1012円)