『禅の心で大切な人を見送る』
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『禅の心で大切な人を見送る』枡野俊明著
[レビュアー] 産経新聞社
身近な人の死に直面したときこそ、ならば残りの人生をどう過ごすか考える機会だと説く著者は、曹洞宗の住職。主体的に生きることを意味する「主人公」や今を大事に生きる「前後際断」など禅の用語を現代に当てはめ、自分らしい生き方を探ってほしいと願う。
スマートフォンは便利な半面、ボーッとする時間と丁寧な暮らしを奪ったと考える。心身を回復させるため、コンビニエンスストアの数より多い寺院や神社で、日常的に気軽に手を合わせることを推奨。一方で、心配ごとは将来に先送りするのではなく、今どう解消するか必死に努力すべきとの忠告は耳が痛い。(光文社・1760円)