昭和39年開催の東京五輪では、デザイナーの亀倉雄策が手掛けたポスターも話題になった。本書は39年を日本のイラストレーション史の始まりと定義。当時、高校生だった著者がのちに赤瀬川原平や和田誠、安西水丸らと出会い、ともに雑誌文化発展に関わってきた経緯を振り返る。
著者が入試や就職試験に失敗しながらも「最短距離でいまのところに来ていた」のは、おもしろいと思うことを工夫し楽しんでやってきたからだと言う。76歳でもバリバリの現役だ。
雑誌の表紙やポスターを含め、国内外の著名な作品を模写した図版が楽しい。(ちくま文庫・1210円)
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2023年8月6日 掲載
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