『カンカンバッチ』 sunui 著
[レビュアー] 西日本新聞社
「カンカンバッチ」とは、旅先で集めたお菓子用の金属容器を、たたいてつぶして平らにし、「勲章」に見立てて、無国籍な布、革、ひもの飾りをつけたもの。武蔵野美術大で同級生だった女性4人のアーティストユニット「sunui(素縫い)」(片平晴奈さん、白石陽子さん、冨沢恭子さん、根岸麻子さん)が、結成当初からつくり続ける代表作品だ。
素材を買い求めた国も、形や色、厚みもテーマも、それぞれの手が動くままに組み合わされ、同じものは一つもない。2010年には、独自の世界観と手仕事の偶然性による面白さが評価され、糸井重里氏が主催するウェブサイトの「ほぼ日(にち)作品大賞」を受賞した。
本書は、100を超える作りおろしのカンカンバッチを収録した作品集。4人の写真家(上山知代子、大沼ショージ、齋藤圭吾、長野陽一の各氏)が、作品の個性を引き出すべく、ハワイ、秋田、東京で撮影した。ブックデザインは有山達也氏。