「人は差別をする生き物」ともいう。人事異動の噂を皆、大好きなのは自分と比べて一喜一憂するからだ。ただ、もっともらしい肩書と仕事の中身は必ずしも一致しない。例えば官公庁の事務次官は、「次」と付くため偉くないように見えるが事実上のトップ。それに続く官房長や審議官の偉さを知る人は少ない。民間企業でも代表取締役名誉会長、ファウンダーなど「どれくらい偉いの?」という、不思議な肩書が増えてきた。
本書はその裏事情を現役の新聞記者がひもとく。とりあえず「個室を持つ人は間違いなく偉い」ことだけは覚えておこう。(新潮新書・760円+税)
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2017年3月26日 掲載
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