【写真集】『築地魚河岸ブルース』沼田学 自信と誇りに満ち

レビュー

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築地魚河岸ブルース

『築地魚河岸ブルース』

著者
沼田学 [著]
出版社
東京キララ社
ISBN
9784903883267
価格
2,160円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【写真集】『築地魚河岸ブルース』沼田学 自信と誇りに満ち

[レビュアー] 渋沢和彦

 移転問題でなにかと話題になっている東京の築地市場。本書には魚市場にもかかわらず、肝心の魚が写っていない。市場そのものではなく、働く人たちにスポットを当てた。なかでも主役は場内を勢いよく走る運搬車のターレを操る者たちだ。

 笑顔のはじけた優しい顔もあれば、ねじりはちまきで鋭い眼光のいかつい顔も。りりしい女性の姿もある。皆、自信と誇りに満ちている。

 写真家の沼田さんは昭和47年、北海道生まれ。主に雑誌や広告などを中心に活動している。築地では特定の場所にカメラを構えて1年間ほど費やして撮影したという。

 今年1月、東京・新宿のギャラリーで開催した写真展「東京魚河岸ブルース」がネットなどで話題となり、本書の出版につながった。

 「威勢がよく、人好きで面倒見がよく、粋で、とにかく格好良いのだ。みんな本当に人生がにじみ出たいい顔をしている」と沼田さんはあとがきに記している。

 長靴が一番似合う人たちのポートレート。男の顔に刻まれたシワから生き方が伝わってくる。(東京キララ社・2000円+税)

 渋沢和彦

産経新聞
2017年10月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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