【今週の労務書】『判例から考える懲戒処分の有効性』

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判例から考える懲戒処分の有効性

『判例から考える懲戒処分の有効性』

著者
河本 毅 [著]
出版社
産労総合研究所 出版部 経営書院
ジャンル
社会科学/法律
ISBN
9784863261464
発売日
2013/04/30
価格
4,620円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【今週の労務書】『判例から考える懲戒処分の有効性』

[レビュアー] 労働新聞社

 無効事例との比較参考に

 懲戒処分とは、使用者が労働者の企業秩序違反行為に対して科す制裁罰のこと。使用者の伝家の宝刀だが、「抜き所の勘に狂いがあれば、始末に負えない」(著者)。本書は、懲戒処分の適正な制度設計と運用を目的に膨大な裁判例を整理し、注釈を加えたものである。

 とくに懲戒処分の有効事例と無効事例の比較が参考になる。

 例えば懲戒解雇では、勤務後、控室の囲碁の勝負で喧嘩を始め、同僚を足蹴にして負傷させ、5日間欠勤させた事案を無効とした一方で、勤務後に飲酒し、上司を一升瓶で殴打して傷害を負わせ、罰金1万円に処せられた事案は有効とした。有効の理由は、過去2カ月間に酔って2度も暴行事件を起こしたことが斟酌されたとしている

労働新聞
平成25年4月22日第2918号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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