『２１世紀の建築をめざして』伊東豊雄著

　２０２０年のオリンピックを前に、東京の街は変貌しつつある。密集した住宅地や商店街を、高層ビルに建て替える再開発などが進む。

　高層化で空き地を生み出し、街に緑や広場をつくるのは２０世紀建築家の夢だった。本書では建築界の重鎮である著者が、ル・コルビュジエとミース・ファン・デル・ローエという２０世紀の巨匠建築家２人の建築原理と、その「限界」についてわかりやすく解いている。

　２１世紀の建築は、自然を人工的秩序で制御するのではなく、より自然へと開いていかなければならない。アジア的感性をふまえつつ、その方向性を指し示す。（エクスナレッジ・２４００円＋税）

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