タカオの親友、フランツがスイスで謎の死を遂げる。未亡人となったカオルから連絡を受け、タカオが駆けつけると、幼い一人娘を残してカオルの姿は消えていた。そして、タカオのもとに見知らぬ男から、カオルを人質にフランツが所有していた1枚の絵を差し出すよう要求する電話が入る。
その絵とは、ルネサンス期の巨匠の未発表作品だった。タカオと娘は、絵の捜索に乗り出す。
1枚の名画によって翻弄される人々の数奇な運命。16世紀のフィレンツェ、現代の日本、ベルリンと、舞台を移しながら壮大でスリリングな物語が紡がれる。(筑摩書房・1800円+税)
-
2019年9月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです