【児童書】『絵本 NHKスペシャル 恐竜超世界』

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【児童書】『絵本 NHKスペシャル 恐竜超世界』

[レビュアー] 正木利和(産経新聞編集委員)

■生き物の見方が変わる!

 いまから6600万年以上も前の白亜紀後期に生息していたとされるデイノケイルスやトロオドンという羽毛におおわれた恐竜とモササウルスという海生爬虫(はちゅう)類。化石からわかった恐竜時代のそうした生き物の生態を、最新の研究をもとにコンピューターグラフィックスを使って迫力たっぷりに紹介する。

 それぞれの生物に主人公を設定し、形態や食性、繁殖の具合などを物語形式のなかで解説、謎を解き明かしていくのだが、6600万年前に地球に激突した巨大隕石(いんせき)によって絶滅したとされる恐竜たちは、本当にそのときに消え去ってしまったのだろうか。

 その疑問に、「最新研究でわかったこと」「現在まで生き残っている恐竜たち」の項を設け、羽毛をはやして空を飛ぶようになった恐竜たちが「いま、『鳥』となって生き残っている」という答えを導く。

 「ホーホケキョ」と鳴くウグイスも、「テッペンカケタカ」と鳴くホトトギスも、ご先祖はみな恐竜と知れば、小鳥の見方も変わるのは必至。(三木茂構成・文、小林快次監修/徳間書店・1900円+税)

 正木利和

産経新聞
2020年5月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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