『いちばん大事な「子育て」の順番』
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<東北の本棚>成長の法則は足から頭
[レビュアー] 河北新報
仙台市でシュタイナー教育を実践する保育士の著者が手掛けた育児本。「育児は『育自』(自分を育てる)」という言葉を思い起こさせる内容となっている。
わが子が他の子と差をつけられないようにと、幼少期からさまざまな習い事をさせようと考えるのは親心だが、著者は発達の順番を無視した促成栽培だと戒める。「人間の成長の法則は下から上へ、つまり『足から頭へ』」だとして、永久歯に生え替わる7歳ごろまでは体作り、その後に胸(感情)、頭(思考)へと移行するべきだと説く。
その上で、(1)乳児期の0~2歳(2)幼児期の3~6歳(3)学齢期の7~9歳(4)10歳以降-の4章に分けて話題を提供する。「赤ちゃんにとっては、自分の手足が最大のおもちゃ」の項目では、派手な色の知育玩具や電子音の鳴るおもちゃは触覚を通して自分の体と向き合う一歩を奪うと指摘。確かに、長い人類史でそうしたおもちゃが新生児に必要だった時代は他にないだろう。
「遠くの遊園地やテーマパークより近所の公園へ」「あいさつをさせることよりも、あいさつしているところを見せ続ける」。自己満足ではなかったか、強要ではなかったか、その他の項目も一人の親としてこれまでの振る舞いを考えさせられる。(桜)
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青春出版社03(3207)1916=1518円。