『銀ぶら百年』
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『銀ぶら百年』泉麻人著
[レビュアー] 産経新聞社
「銀ぶら」の言葉の発祥には諸説あるが、本書は大正4、5年ごろ、「銀座という街の雰囲気を享楽するために散歩する」意味で慶応義塾の学生たちから生まれたと紹介。同じ慶応出身の著者が100年の時を経て「銀ぶらの魅力を再考する」エッセーをつづった。
「伊東屋」「三笠会館」「山野楽器」、そばの「よし田」に「トラヤ帽子店」「松﨑煎餅」「教文館」…。数々の老舗への取材、文献や資料、映画・音楽などから街の歩みをたどる。何より、幼少期から半世紀余にわたる著者の銀座体験が文章に深みと味わいを増す。著者ならではの愛あふれる銀座案内本だ。(文芸春秋・2200円)