『BOOK BAR』
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思わず読んでみたくなる本ばかり!
[文] 新潮社
本を愛する女優と旅人という、異色のタッグが送る「BOOK BAR」。
人気ラジオ番組が10年を迎え、満を持して書籍化した。
ナビゲーターの二人が本には入らなかった裏話を語り尽くす!
初顔合わせから10年
杏 2008年4月5日に「本から始まる四方山話」、BOOK BARはスタートしました。
大倉 だから10年。
杏 私、今31歳ですから、当時21歳でした。まだお芝居もほとんどやってなくて、ザ・モデルだったんですよね。海外のコレクションにも行っていたと思います。
大倉 僕は50になっていました。50歳と21歳のコンビ。よくこんなもん組ませたと思いますよ。
杏 BOOK BARの最初の企画書に、「怒れるオヤジ&モデル」とあって(笑)。
大倉 その組み合わせで、どうするつもりだったんだろう。
杏 でも、J-WAVEへ初めての打ち合わせに行ったら、大倉さんは海外放浪中で連絡が取れなくて、いないと言われてしまって。
大倉 その会議をやる頃、ラオスの奥地に行っていて、参加しようにも、全然ネットがつながらなかったんですよ。
杏 十年一昔と言いますけど、やっぱりネット環境も今と全然違いますからね。
大倉 ラオスにも一応ネットカフェはあったんですが、いつ行っても停電なの。だから何が起こってるのか、さっぱりわかんないままで帰ってきたんです。
杏 そうして、そんなラオス帰りの大倉さんにお会いしたら、顔は真っ黒、目はぎらぎらで。
大倉 歯だけ白いおじさん。
杏 だからちょっと怖かったです。企画書には「怒れるオヤジ」と書いてあったし、初回はおびえてたんじゃないかな(笑)。
BOOK BARで紹介する本
杏 毎回本を選ぶのは大倉さんと私でほとんど同時です。「大倉さんがこれを持ってきたから、私これにします」ではなく、「僕は明日これ」「私はこれ」みたいな感じで。
大倉 相手の出方を見るようなことはしていないんです。
杏 でも、それぞれ紹介した本は、実はお互い読んでいません。
大倉 杏ちゃんがすごくいい紹介をしていたから、俺も読んでみようという思いはお互いにあるんだよね。
杏 そう、あるんですけど……。
大倉 週1冊本を紹介するって、意外に大変でして。
杏 そうなんです。もちろん楽しいんですが、さらに相手の紹介した本も読む余裕がないですね。
大倉 そうなんですよ。自分が読んだ本を全部紹介するわけではないし、そうなるとちょっと他の本まで読むのはなかなか難しい。
杏 あとは、買っていたのに先に紹介されたときなども、悔しくてそのあとは読めません(笑)。
大倉 お互い何度かあるんですよね。やられちまったぜーと。
杏 はい。読もうと思ってたのに!という。
大倉 宿題やろうと思ってたのにーみたいな感じにちょっと近いです。
杏 じゃあもっと、違う本を探してやる~!となります。だから、私たちよりリスナーの方のほうが、BOOK BARで紹介した本を読んでくださっているかもしれないですね。
大倉 読んでくださっている方は多いと思いますよ。あと、リスナーの方からいただくメールで、「杏ちゃんの紹介した本がとても読みたくなりました」とあって、同じ週に紹介しているのにもかかわらず、私の紹介した本には、一切触れられていないという場合も結構あります。
杏 逆もしかりですよね。
大倉 あれは励みになったり、逆にくっそーみたいに思うこともありますね。
杏 燃えますよね。メールは本当にうれしい。
大倉 特に紹介した本を読んでくださって、その感想まで添えてくれると、皆さんが思ってるよりも、ずっとうれしいんですよ。これからもじゃんじゃん送っていただけたら!
杏 リスナーの方からのメールはちゃんと全部読ませていただいています。「大倉さん、これこんなことが書いてありますよ」というクロストークも裏でやっていたりします。