『一死、大罪を謝す』
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ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「最後の陸軍大臣の生き方」【書店員レビュー】
[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)
自分個人として「こうしたい」という想いはある。しかしながら、自らの(職務の)立場上、その想い通り振る舞うわけにはいかない、時に自らの想いとかけ離れた決断をしなければいけない…そんな苦しい決断を迫られる…。人生のある時点でそんな場面に直面する事もありますよね…。という前置きを踏まえて以下のレビュー。 昭和20年8月15日朝、一死以て大罪を謝し奉る…の遺書を遺し割腹自決を遂げた最後の陸軍大臣の評伝。和平か、本土決戦か。阿南大臣の本当の想いはどちらだったのでしょう。平凡な一軍人が陸軍550万人の頂点に立ち、苦悩しながら巨大組織を統率し、戦争終結に導くまで。「立派な平凡人」(本文より)であり、一切「何も語らず」死を選んだ一人の男の生涯。約500頁のノンフィクション。読後、貴方の胸に去来するのはどんな想いでしょうか。終戦から71年目。今年の8月も、もうすぐ終わりですね。