糖質を摂取するなら朝がベスト? 「朝食」について知っておきたいこと

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医者が教える食事術 最強の教科書

『医者が教える食事術 最強の教科書』

著者
牧田 善二 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478102213
発売日
2017/09/23
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

糖質を摂取するなら朝がベスト? 「朝食」について知っておきたいこと

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』(牧田善二著、ダイヤモンド社)の著者は、38年間にわたり、のべ20万人以上の患者さんを診てきたという糖尿病専門医。そのような立場にあるからこそ、一見同じように働いているように見えるビジネスパーソンのなかに、大きな「健康格差」が広がっていると実感しているのだそうです。

たとえば40歳前後のビジネスパーソンを100人集めたとしたら、そのうちの2割くらいが「健康上流」で、残りの8割は「健康下流」だと言わざるを得ないというのです。その格差は自覚しづらいものですが、実際には仕事のパフォーマンスが落ち確実に健康は蝕まれていくのだとか。

バリバリ働くビジネスパーソンが最も大事にしなければならないのは、売り上げ数字でも人脈でもなく、パフォーマンスを上げるべく動いている自分自身に、いかに正しい栄養を注入するかということです。

どれほど優れた高級車でも、不純物だらけの怪しいガソリンを入れたらうまく動かなくなることは、簡単に想像がつくでしょう。ところが、自分自身の体となると、平気でそれをやってしまっているビジネスパーソンが多いのです。(「はじめに」より)

大切なのは“バランスのいい食事”という曖昧なものではなく、「いかに血糖値をコントロールするか」なのだと著者は主張しています。そして本書について注目すべきは、生化学という人間のメカニズムに沿って、世界中の信頼すべき論文や、20万以上におよぶ著者の臨床体験を踏まえている点。そのため一時の流行に左右されることなく、絶対的な食事術を身につけることができるわけです。

きょうは第3章「24時間のパフォーマンスを最大化する食事術 朝・昼・晩の食事で本来のパワーを高める技術」のなかから、「朝食」に関するトピックスを抜き出してみたいと思います。

糖質は朝食で、サラダやヨーグルトの後にする

本来であれば朝食は、時間をかけてたっぷり食べるのが理想。しかし、忙しいビジネスパーソンには難しいことでもあります。とはいえ朝食を抜けば、昼食まで空腹のまま。その後、お昼にドカンと食べて血糖値を急上昇させることになってしまうので、なにかしら食べておく必要があるということです。

なお、ごはんやパン、麺類などの糖質が食べたければ、朝食に持ってくるのがベスト。その後1日働くことになるので、ブドウ糖も使われてしまうことになるわけです。ただし朝食時にも、いきなりごはんやパンを口に入れるのではなく、サラダや具だくさんの味噌汁、ヨーグルトなどの後に食べるようにするだけで、血糖値の急激な上昇を抑えられるといいます。(152ページより)

果物は朝に少量を食べる

果物の「果糖」は、ブドウ糖よりも体に溜め込まれやすい性質を持っているため、肥満の大きな原因。人間の体はまずブドウ糖をエネルギー源として使いますが、ブドウ糖が十分にあるときは、果糖はストック用としてすぐに中性脂肪に変わるのだといいます。つまり、太るということ。

とはいえミネラルやビタミンを含んでいるので、少量を楽しむぶんには問題なし。その場合、1日の始まりである朝食に食べることで、ミネラルやビタミンが有効活用され、糖分も消費されやすくなるのだそうです。

そして果物を食べるときは、できるだけそこに含まれる食物繊維も一緒に摂取することが大切。ミカンなどは袋ごと、リンゴも皮をむかずに食べるのが理想だといいます。食物繊維が多ければ消化に時間がかかり、そのぶん血糖値の上昇を防ぐというのがその理由。

遅刻しそうな朝には、キウイフルーツがいいでしょう。ビタミンCを豊富に含むキウイを食べて1日分のビタミンを補いましょう。血圧を下げる効果も期待できます。抗酸化作用が高いブルーベリーもおすすめです。ヨーグルトに入れるなどして食べてもいいと思います。(154ページより)

なお朝食によく食べられているバナナは、最も糖質の多い果物。血糖値を考えれば、とてもオススメできないと著者はいいます。(153ページより)

パンは天然酵母、全粒粉のものを食べる

パンはその製造過程で、さまざまなものが混ぜられるため注意が必要。見た目はシンプルでも、味つけのための塩や砂糖が想像以上に入っているケースがあり、添加物がたっぷりのものもあるというのです。

一般的に売られているパンは、練ったパン生地を発酵させるにあたり、たいてい「イーストフード」が用いられているもの。イーストフードはイースト菌を効率よく働かせるために人間がつくりだした物質で、発がん性があるという説も。イースト菌が悪いのではなく、イーストフードに問題があるということです。

パンを食べるなら、天然酵母で発酵させたものにしましょう。

かつ、精製された小麦粉ではなく全粒粉でつくられたものを選ぶのが理想です。全粒粉にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く残っており、栄養的にもベターだからです。(157ページより)

とはいえ、それらの条件を満たすパンは、コンビニやスーパーでは入手しづらいのも事実。コンビニやスーパーで売っている有名メーカーのパンは防腐剤などが加えられていることが多いので、信頼できる高品質なパン屋などに足を運ぶことが大切。成分表示などを自分の目で確かめていくことが、本当の意味で健康意識を変えていくのだと著者は主張しています。(156ページより)

ヨーグルトを毎日少しずつ食べる

ヨーグルトは牛乳からつくられますが、その製造過程で乳糖が分解されるため、牛乳を飲むよりも血糖値は上がらないのだそうです。ただし、成分が牛乳であるだけに、コレステロールを上げることもわかっているのだとか。特にそれが顕著なのは、粘り気の強いカスピ海ヨーグルト。食品からとるコレステロールは大した量ではないものの、普段から動脈硬化などが気になる人は、多食しないほうがいいと著者はアドバイスしています。

ヨーグルトの優れた点は、腸内細菌を整えてくれることです。腸内細菌がいい状態であれば快便が保たれ、さまざまな病気にかかりにくくなることがわかっています。

こうした「日々の効果」を期待するならば、一度に大量に食べるのではなく「毎日少しずつ」を習慣にしていくほうがいいでしょう。具体的には1日に100グラム前後でしょうか。(162ページより)

なお、ヨーグルトは牛乳に「種菌」を混ぜて発酵させることでできますが、市販のものは商品によって使われている菌が違うのだそうです。つまりは相性があり、Aという商品がBさんに快便と健康を届けてくれたからといって、Cさんも同様とは限らないということ。とはいえ自分の腸内細菌を調べるわけにもいかないので、いろいろなヨーグルトを2週間くらいずつ試してみて、「最近、おなかの調子がいい」と感じるものを見つけるといいそうです。(162ページより)

卵のコレステロールは気にしない

牛乳と並び、卵も高コレステロール食品として知られています。そのため、コレステロール値が高い人には禁忌の食べ物とされてきました。しかし長年の研究で、コレステロールは9割が肝臓でつくられ、食べ物から摂取されるのは1割にすぎないことがわかっているのだそうです。そのため心筋梗塞の患者が多いアメリカでも、卵を控えようとは言われなくなったのだといいます。つまり、肝臓でコレステロールをつくりやすい体質があるということです。

卵は栄養的に優れた食品なので、健常者なら1日1個、コレステロール値が高い人でも2日に1個くらいは食べたほうがいいと著者は記しています。コレステロール値が高い人は、食べ物について心配するよりも、血管系疾患の検査をきちんと受けることが大事だとも。(166ページより)

血糖値についての基本にはじまり、「医学的に正しい食べ方」、「血糖値を上手にコントロールする食事術」そして「長生きの10大ルール」と、幅広く、そして奥深い内容。興味のある分野・項目から読み進めることもできるので、食事について大切なことを、しっかり身につけることができるでしょう。

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2017年10月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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