2020年教育改革で何が変わる? 家庭教育でも必須になる「非認知能力」開発(後編)

対談・鼎談

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「非認知能力」の育て方

『「非認知能力」の育て方』

著者
ボーク 重子 [著]
出版社
小学館
ジャンル
社会科学/教育
ISBN
9784093886338
発売日
2018/10/26
価格
1,540円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

2020年教育改革で何が変わる? 家庭教育でも必須になる「非認知能力」開発(後編)

[文] 小学館


翁安芸さんとボーク重子さん

 著書『「非認知能力」の育て方』(小学館)で、非認知能力教育を重視するアメリカでの自身の子育て経験を元に、どうしたら子どもの能力を育むことができるのかを記したボーク重子さんと、カリスマママモデルとしてまたインフルエンサーとして子育てママ世代から絶大な人気を誇る翁安芸(おう・あき)さんが対談を行った。

 後編では、子どもが「好きなこと」でどう非認知能力を高めるか、を話す。

 ***

ボーク重子(以下、ボーク) お嬢さんは今何かお稽古してますか?

翁安芸(以下、翁) バレエのレッスンに行っていて、夢中です。バレエと言っても、まだ2歳ですから跳んだりはねたりのお遊戯レベルですが。

ボーク うちの娘もそうでした。まずはお遊戯教室みたいなものからスタートして、その後本格的にバレエにパッションを見つけました。

翁 今は単純に教室に行くのが楽しくて仕方ないらしく、バレエのある日はテンション高めです。ただ、かなりひょうきんなタイプで、教室に行ってはバレエ着を脱いでタイツ一枚になってはしゃぎ回ったりするんです(笑)。そんなことをするのはうちの子だけなのですが、先生も「あら、また脱いじゃった!」程度で、娘はまたその反応が嬉しいらしく、「えへへ」とか言いながらその姿でポーズをとったり。我が道を行くタイプです。

ボーク そういう「好き」をひとつでも持つことは、子どもにとって大きな強みになります。ほかにも何か熱中していることはありますか?


翁安芸さん

翁 とにかく本が好きみたいです。私も夫も本が好きなせいもあって、家のあちこちに本が置いてあります。娘はまだ字があまり読めませんが、お人形を並べて、自分が好きな絵本を読んであげたりしています。……と言っても、本がさかさまになっていたりするのですが。

ボーク それはやはり、字を読んでいるのではなくて、完全に想像力ですね。自分で世界を作って、ストーリーを作って、お人形にシェアしている。

翁 はい、さかさまになっていても、ものすごく熱中しているので、本人は全然気づかないようです。

ボーク 親が「本を読め」と言うのではなく、とにかく、手に届くところに本がたくさんある。それに、パパとママが熱中して本を読んでいる姿を見る。そういう自然な環境があることで、本に触れる機会が増え、それで想像力という、「非認知能力」のもうひとつの柱である能力が育っていくわけですね。

翁 お部屋に小さなダイニングみたいなものがあるのですが、テーブルの反対側にお人形を置いてから、お皿とコップをちゃんと自分でツーセット準備して、おままごとしています。ときどきはお人形でなく私を呼んで、「ママ、できたから一緒に食べよう」と誘ってくれて、行ってみると、りんごや野菜のおもちゃがテーブルに置いてあったりします(笑)。


ボーク重子さん

ボーク 遊ぶことは問題解決能力を伸ばすこと、そして、前述のように想像力も育てます。今は遊ぶ時間が少ない子が多いのも、「非認知能力」の教育改革には大きな問題だと言われています。

翁 今はとにかくかわいくて仕方がなくて、一緒にそうして楽しい時間を過ごせることが幸せなのですが、どんどん成長して自立していくと考えると、少しさびしい気持ちもします。

ボーク でも、子育ての究極の目標はそこですからね。子どもが自分でしっかり社会の中で生きていけるように支え、送り出すこと。世の中には厳しいことも辛いこともたくさんあって、それを自分で乗り越えていけば、素晴らしい人生の舵をとれるようになるよ、ということを教えること。そのためには、やはりお母さん自身の生きかたでそれを教える必要があるんです。

翁 そうですね。私も娘が巣立っていったあとで「あれ? 私って何者だったっけ?」という風にならないように、今から情熱を傾けられるものを探して自分の「非認知能力」を高めたいと思います。そのプロセスで、母が私にしてくれたように、壁にぶつかったり悩んだりしながらがんばる姿を正直に娘に見せて、彼女にも学んでもらえたらいいなと思います。

 ***

ボーク重子(ぼーく・しげこ)
作家・ICF会員ライフコーチ。福島県出身、米・ワシントンDC在住。ロンドンのサザビーズ・インスティテュート・オブ・アートで現代美術史の修士号を取得。アメリカ人である現在の夫と出会い、1998年渡米、出産。娘・スカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝、多くのメディアに取りあげられた。現在は全米・日本各地で、子育て・キャリア構築・ワークライフバランスについての講演会やワークショップを展開中。著書多数。

翁安芸(おう・あき)
1982年生まれ。ハワイ、LA、NY生活のなかで、ハリウッド映画の衣装やスタイリストのアシスタント、PR会社や人気セレクトショップなどのインターンを経験。帰国後はラグジュアリーブランドのPRを経て、フリーランスPRとして独立。ファッション分野にとどまらずライフスタイルのインフルエンサーとして活躍中。2018年4月に初の書籍『ときめく服だけ着ればいい −日常をちょっと素敵にする「大人可愛い」の作り方−』(光文社)を発売。

撮影・浅野剛

小学館
2019年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

小学館

  • このエントリーをはてなブックマークに追加