10代で焼き物を買い求め、古陶磁の目利きとして20代で陶芸の世界で名をなし、文学や美術の世界にも進出して優れた業績を残した鬼才、青山二郎(1901~79年)。
自邸には多くの若き才能が集い、小林秀雄や白洲正子ら優れた作家が世に出た。一時期、蓄音機にも凝り、バッハやモーツァルトのレコードを収集。小林はそれを聞いて名著「モオツァルト」を書き上げたという。
美を追い求めた青山二郎とはいかなる人物だったのか。宇野千代や北大路魯山人ら交流のあった人々の回想などにより業績や人間像を浮かび上がらせる。(ミネルヴァ書房・4000円+税)
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2020年8月23日 掲載
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