夫と妻のギャップはなぜ生じる? 夫婦仲を改善する4つのステップ

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夫のLINEはなぜ不愉快なのか

『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』

著者
山脇 由貴子 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784166612826
発売日
2020/09/18
価格
880円(税込)

書籍情報:openBD

夫と妻のギャップはなぜ生じる? 夫婦仲を改善する4つのステップ

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

夫のLINEはなぜ不愉快なのか』(山脇由貴子 著、文春新書)の著者は、年間200家族の相談を受けているという「家族問題のカウンセラー」。

日々の業務のなかで、配偶者との関係に悩んでいる夫婦の多さを実感しているのだそうです。

たとえば「夫と一緒にいても楽しくない」という理由で離婚を考え、カウンセリングに訪れる妻は決して少なくないのだとか。

夫の側からすれば、「そんなことが離婚の理由になるのか!」と驚くしかないような話。

しかし、そうした不満や行き違いの背後には、夫婦仲を左右する大きな問題が隠されているというのです。

夫婦の間で不満が生じるのは、お互いの発言や行動の真意が理解できず、気持ちがすれ違ってしまうからです。

夫婦とはいえ、もとは他人だった2人ですから、お互いを理解することは簡単なことではありません。

むしろ理解できない部分があって当然です。それは誰しもが分かっていることでしょう。 (「はじめに」より)

思い当たる方も多いのではないでしょうか?

まず女性と男性では、物事を認識する方法やコミュニケーションの方法など、いろいろな点が異なっています。あるいは、両者の育ってきた家庭環境の違いも影響を及ぼすことでしょう。

そこで本書では、著者のこれまでのカウンセリング経験や心理学のメソッドなどを踏まえ、「妻と夫のギャップがどこから生じてくるのか」を解明しているわけです。

「なぜ夫は妻の話を聞かないのか」「夫と妻の違いはどこで生じるのか」など、男女の差に関する著者の指摘は興味深いものばかり。

きょうは第5章「夫婦仲を改善する4つのステップ」に注目し、すぐに実践できそうなことをご紹介したいと思います。

ステップ1:食事を一緒に食べる

夫婦関係を維持するために重要なのは、食事の時間だそう。

そこで著者は、「顔を合わせると文句を言われる」「仕事が忙しいから無理」などと決めつけず、まずは一緒に夕食をとる回数を増やすことを心がけようと提案しています。

ある夫婦の例を紹介しましょう。

(中略)

この夫婦は、毎日、一緒に夕食をとっているそうです。時間をかけて食事をしながら、その日にあったことを報告し合うのだとか。

2人で毎日、同じものを食べていると、身体が欲するものも同じになるので、妻が「今日はこれが食べたいな」と思ったものを作ると、夫のほうも「まさに今日これが食べたかった」と喜んでくれるそうです。

だから夫も夕食が楽しみで、毎日、できるだけ早く帰ろうと努力しますし、妻も夫に喜んでもらおうと、がんばって料理を作るのです。(159ページより)

たしかに、これは重要なポイントではないでしょうか?

職場の事情もそれぞれ違うだけに毎日は難しいかもしれませんが、夫が努力する姿勢を示すことが、妻へのメッセージになるわけです。

また、一緒に買い物に行ったり、一緒に料理をしたりすることも、夫婦の距離を縮めることになるでしょう。(158ページより)

ステップ2:「ありがとう」「ごめんなさい」を増やす

夫婦の関係を良好に維持するためには、コミュニケーションが不可欠。なかでもいちばん重要なのが、「お礼」と「お詫び」だといいます。

夫への不満はないという妻から、その理由を聞いたことがあります。

「とにかく夫は『ごめんね』と『ありがとう』をたくさん言ってくれるのです。偉いなと思いますね」「食事中にお醤油を取ってあげても「ありがとう」と言うし、洗濯をしてあげたことにも「ありがとう」と言うとか。

すると妻も変わったのです。

「だから自然と私もお礼とお詫びを言うようになりました。いつもゴミ出しをしてくれるので、その度に『ありがとう』と言っています。(後略)」(168〜169ページより)

小さなことのようで、実はとても大切なポイント。

事実、関係がうまくいっている夫婦には、「ありがとう」「ごめんなさい」が多いという共通点があるのだそうです。(168ページより)

ステップ3:一緒にできることを増やす

共通の話題があると、夫婦のコミュニケーションは自然と増えていくもの。そこで著者は、お互いに興味のあることを、夫婦で一緒にやってみることを勧めています。

お互いに「興味ない」と決めつけず、まずは一緒に同じ趣味に挑戦してみれば、世界が広がって夫婦の会話も増えるということ。

良い関係というのは、多くの形容詞を共有できている関係のことではないでしょうか。

(中略)

夫婦で一緒の趣味を持てれば、「楽しかったね」と言い合えることになります。

夫婦でも形容詞の共有が増えれば、愛着関係も強くなりますし、形容詞を共有するということは、お互いの気持ちに共感するということでもあるのです。(185ページより)

「なにをするか」ではなく、「誰とするか」が大切だということです。(183ページより)

ステップ4:夫婦の課題を話し合う

ここまで段階を踏んできた夫婦であれば、将来の生活や育児方針など、家庭の重大な問題についても話し合うことができるようになっているはずです。

いきなり大問題を話し合うのが難しいようでしたら、まずは身近で、だからこそ多くの家庭で揉めごとの筆頭になっている家事について話し合ってみてはいかがでしょうか。(197ページより)

と、著者が提案することには理由があります。

夫が「自分はけっこう家事を手伝っている」と持っていても、妻は「夫はなにもやってくれない」と感じているケースが多いから。

だとすればたしかに、このことについて考え方を確認し合うことが大切なのかもしれません。すぐにできることですから、試してみる価値は充分にありそうです。(197ページより)

喧嘩が絶えない夫婦に対し、著者がカウンセリングで提案しているのは、「相手に対する期待や、要求のレベルを下げる」ということだといいます。

相手が「できない」「やらない」とわかっていれば、不満に思うことも減るはずだからです。

大切なのは、相手ができないことを理解する姿勢。

それぞれが違う人間だからこそ、思い通りにならないことに耐える力を強化し、歩み寄るべきだという考え方なのです。

Source: 文春新書

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2020年11月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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