パフォーマンス高く、健康的に働くための「自宅のゾーニング」ルール

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ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか

『ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか』

著者
長田英知 [著]
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN
9784799326916
発売日
2021/02/19
価格
1,760円(税込)

書籍情報:openBD

パフォーマンス高く、健康的に働くための「自宅のゾーニング」ルール

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

新型コロナは私たちの社会の歯車を一つ未来へと切り替える役割を果たしました。

今後、首都圏直撃の台風が来ることが予想される日にオフィス出勤を求める企業は、優秀な学生の人気就職先となることはないでしょう。

またZoom等を使ったオンラインでの学習や交流は、人が直に会えるようになった後も社会に根付き、私たちがつながる有力な手段として残っていくでしょう。

新型コロナは私たちが予期していなかった、全く新しい変化をもたらしたわけではありません、それはいずれ迎えるはずであった未来を少し早く到来させたに過ぎないのです。(「はじめに」より)

ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか』(長田英知 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の冒頭にはこう書かれています。非常に説得力のある考え方ではないでしょうか?

著者は2008年ごろからIBMで、スマートシティなど社会のICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)化を進める事業に携わってきた人物。

2016年からはAirbnb Japanにおいて、民泊を中心としたシェアリングエコノミーの普及・推進に関与してきたのだそうです。

注目すべきは、「新型コロナが、移動・集会の制限という状況を通じて、私たちが抱えていた社会的・技術的な障壁を強制的に壊す役割を果たした」という視点。

そこで本書において著者は、さまざまな分析を通じ、「ありうる未来」と「取りうる選択肢」についての現時点での見通し、そして私たちの「生き方戦略」について語っているわけです。

だとすれば気になるのは「新しい日常」に合った暮らし方。そこできょうは第8章「新しい『暮らし』をデザインする」のなかから“自宅のゾーニング”をクローズアップしてみたいと思います。

住宅が持つ役割:5つの主要機能と2つの補助機能

新型コロナ後の社会において、私たちのライフスタイルやワークスタイルは大きく変化する可能性があります。そこで変化に伴い、自分たちの住まいをゾーニングすることの重要性を著者は説いています。

ちなみに「ゾーニング」とは、空間デザインを考える際に基本となるもので、空間(部屋)を目的や役割ごとに区分することを意味するもの。

住宅のゾーニングを行う際の最初の視点は、プライベートな活動とパブリックな活動でエリアを大まかに分けること。そこでまず、ポスト・コロナの住まいが持つべき5つの主要機能と2つの補助機能を確認しておきましょう。

「5つの主要機能」とは、生活に必要となり機能であり、かつポスト・コロナの社会においては、住まいで行うことが求められる機能。

Relax:睡眠、あるいは日常を過ごすための生活の基本機能

 → ダイニングテーブル、ベッド、水回り、テレビ、PC、本棚、収納など

Eat:食事を作り、あるいは飲食をする場としての機能

 → キッチン、ダイニングテーブルなど

Play:遊んだり、運動するための機能

 → ゲーム機、PC、音響機器、本棚、キッチン、ヨガマットなど

Work:仕事や作業を行うための機能

  → PCを置くデスク、仕事用の椅子、書類入れなど

Learn:学習を行うための機能

 → 勉強机、椅子、本棚など

(226〜227ページより)

「2つの補助機能」は、生活するうえで必要ではあるものの、住まいで行うことは必須ではない機能。

Buy:生活していく中で、必需品あるいは贅沢品を購入するための機能

 →オンラインショッピングを可能にするためのインフラ(PC、Wi-Fiなど)

Earn:生活するために必要なお金を稼ぐための機能

 → 自宅で民泊を行う場合は、住まいが対象となる場合あり

(228〜229ページより)

最初に抑えておくべきは、こうした機能があるということだというのです。(235ページより)

自宅をゾーニングする

住宅のゾーニングを行う際のひとつ目の視点は、プライベートな活動とパブリックな活動でエリアを大まかに分けること。

上記5つの基本機能では、Relax/Eat/Playがプライベートな活動であるのに対し、Work/Learn、そして自宅を民泊や時間貸しで貸し出す場合は、補助機能であるEarnもパブリックな活動に区分されるそうです。

パブリックな場とプライベートな場を分ける理由は、2つのスペースを混在させないほうがオンオフの切り替えをしやすくなるから。

そしてゾーニングを考えるうえで大事なふたつ目の視点は、家族一人ひとりの固有の空間を確保すること。

たとえば夫婦共働きで子どもがいる場合、3人がひとつの住居で、同時にオンラインを行ったり、授業を受けるというケースも考えられます。

だとすれば、家族がそれぞれの活動を邪魔されずに行うスペースの確保が求められるわけです。

プライベートに関わる活動についても同じ。たとえば夫婦の片方が趣味(=Play)のための部屋を必要としたり、あるいは単にひとりで寛げる部屋が欲しい(=Relax)というケースもあるはず。

とくに住居にいる時間が長くなり、家族が顔を突き合わせている時間が長くなればなるほど、それぞれのプライベートを確保できるスペースを自宅内に設けることが重要になってくるということです。(235ページより)

このように、自宅のゾーニングはポスト・コロナの時代においては予想以上に大きな意味を持ちそう。

そのため本書では、自宅をゾーニングする際のポイントも解説されています。よりよい未来を過ごすために、ぜひ参考にしておきたいところです。

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2021年3月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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