1982年に生まれた、ごく普通の韓国人女性の人生をつづった小説。女性を取り巻く差別や偏見を浮かび上がらせ、大ベストセラーとなった。
受験や就職活動、結婚、育児…。夫と幼い娘とともに暮らすキム・ジヨンの三十数年に及ぶ半生が、臨床医のカルテの体裁で回想されている。男女の賃金格差などの統計を随所に織りまぜつつ、性別という本人が選べないものによって抑圧を強いられる理不尽な社会構造を告発する。
文庫化にあたり、新たな著者メッセージと評論などを収録。(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳、ちくま文庫・748円)

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2023年5月7日 掲載
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