『バスキア』
- 著者
- パオロ・パリージ [著]/栗原 俊秀 [訳]/ディエゴ・マルティーナ [訳]
- 出版社
- 花伝社
- ジャンル
- 文学/外国文学、その他
- ISBN
- 9784763420756
- 発売日
- 2023/08/07
- 価格
- 2,200円(税込)
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『バスキア 光と影の27年』パオロ・パリージ作
[レビュアー] 尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
ずっと何となく好きだったバスキア。作品はもちろんのこと、彼自身の生き方にも強く惹(ひ)かれるものがある。そう言う割に、自分はバスキアのことをよく知らなかったんだと、この漫画を読んで思い知った。読後、きっと同じ感想を抱く人も多いはずだ。
まず印象的なのはその色づかい。
「色彩の選択には明確な理由がある」
「この漫画に用いているのは、バスキアの若描きの作品のなかで金切り声をあげていた色彩たちだ」
作者の言葉にもあるように、主に赤、黄、緑、紫の4色を使い、ニューヨークの街と、そこで生きる人々をポップに描き出す。
色は言葉より先に飛び込んできて、「ポップ」という幻想に隠された孤独、悲しみ、焦り、苛立(いらだ)ちなどを教えてくれる。これを読んで、もっとバスキアを知りたくなった。栗原俊秀、ディエゴ・マルティーナ訳。(花伝社、2200円)