『創元SF文庫総解説』
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『創元SF文庫総解説』東京創元社編集部
[レビュアー] 産経新聞社
昭和38年に日本初の文庫SFシリーズとして産声を上げた創元SF文庫。この60年の間に刊行されてきた約800冊もの書誌情報や解説をまとめたガイドブックだ。
第1弾となったフレドリック・ブラウンの『未来世界から来た男』、J・P・ホーガンの『星を継ぐもの』など今や古典と呼べる名作がずらり。21世紀に入ると、田中芳樹の『銀河英雄伝説』など国内作家の人気シリーズも生まれた。草創期を知る関係者は本書収録の対談で「当時はまだ『SF』という言葉自体がたいして流通していなかった」と振り返る。日本にSFが根付く過程を追体験できる。(東京創元社・2420円)