200人以上の死者を出し、平成最悪の水害となった昨年7月の西日本豪雨から1年。被害が拡大した要因の一つに「逃げ遅れ」がある。避難勧告が出ているのに、なぜ人々は動かなかったのか。岡山、広島両県の被災地を歩き、今後への教訓を探るルポだ。
近年は雨の降り方が局所化、激甚化しており、想定外の短時間で生活圏が危険地帯へと変わる。常に危機意識を持て、などといった人間心理を無視した空疎な説教ではなく、具体的な改善策が取材の中で模索される。つい先日も九州南部で記録的な豪雨が発生したばかりの今夏、意義の大きい一冊。(山と渓谷社・1600円+税)
-
2019年7月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです