忙しいときほど「マイタイム」を確保して、心にゆとりを持とう

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忙しいときほど「マイタイム」を確保して、心にゆとりを持とう

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

マイタイム 自分もまわりも幸せになる「自分のための時間」のつくり方』(モニカ・ルーッコネン著、関口リンダ訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、フィンランド在住のノンフィクションライター兼ブロガー。企業のマーケティング担当としてフィンランドと日本を往復したり、日本に滞在した経験も持っているのだそうです。

そんな経験から、「日本の方たちはちょっとがんばりすぎかな」と思うことがあるのだとか。そこで本書では、どんなに忙しくても“マイタイム”を持つことの大切さ、そしてその方法を明かしているわけです。

“マイタイム”とは、シンプルにいうと、仕事や家庭の責任から離れ、自分に投資する時間のことです。少し例を挙げてみましょう。

・ 友人と一緒に過ごす

・ エクササイズをする

・ 自然や芸術を鑑賞する

・ 趣味に打ち込む

(「はじめに」より)

なんであれ、自分がいちばんリラックスできること、自分にとって意義あることをすればよいということ。そして“マイタイム”を持つことは、私たちの生活に多くのメリットをもたらすのだと著者はいいます。

1. 充電できる

家庭や仕事から離れることによって、個人としての自分を見つめ直したり、将来を考えたりすることができます。

2. 自己啓発ができる

新しいことを学んだり、人と会い交流したりすることによって、新たな視点を得たり、成長することができます。

3. 健全な人間関係が保てる

家族や職場だけでなく、友人や知人と絆を深めることができます。

4. より健康になれる

エクササイズや散歩によって、より健康になることができます。

5. よき親、よきパートナー、よき社会人になれる

実はこれがいちばん大切なことなのですが、“マイタイム”はあなたに健全な精神をもたらし、その結果、家族に優しくなれたり、仕事のパフォーマンスが上がったり、社会的な関心を保てたりするのです。 (「はじめに」より)

きょうは1章「自分をもっと大切にする“マイタイム”のはじめ方」から、基本的な考え方をピックアップしてみたいと思います。

ちょっとだけわがままになってみる

“マイタイム”を持つときにいちばんの障害になるのは、「“マイタイム”を持ちたいなんて、わがままなんじゃないだろうか」という自分自身の気持ちなのだそうです。

たしかに日常生活においては、「自分以外のために尽くす」責任が重くのしかかってくるもの。もちろんそれは悪いことではないでしょうが、大切なのは、バランスのとれた生活をすること。仕事、家庭、家族と同じように、“マイタイム”も大切だからこそ、少しだけわがままになってみようと著者は提案するのです。

それは親子のあり方にも言えることなのだといいます。親が“マイタイム”を普通にとっている姿を見ていれば、子どもにも自分のことを大切にする習慣が身につくということです。

もちろん、大人と子どもの生活を別にすることは、子どもにとって厳しいときもあるでしょう(親にとっても)。でも、否定的なことばかりではなさそうです。その証拠にフィンランドの小児精神科医であるヤリ・シンッコネン氏は、「成長の面からいえばとても大切」と主張しているのだそうです。

「子どもはときには部外者になることによって、世代の違いを経験することが必要」と考えているわけです。

“マイタイム”を持つことは、心身によい影響を与え、家族のためにもなる、そう信じることが大切だというのです。

草花が力強く成長するために、栄養や水、太陽の光、空気などが必要なように、人間の健康も十分な睡眠、栄養のある食事、適度なエクササイズによって保たれます。 精神的なバランスも同じです。充実した仕事、家族との時間、そして自分のための時間(マイタイム)。この3つのバランスが取れてこそ、健全な日々を過ごせるのです。(21ページより)

そこで著者は、自分の生活を振り返ってみることを読者に勧めています。「やらなければならないことでいっぱいなのか? でも、本当に全部やる必要があるのか?」と、改めて考えなおしてみようということ。
「空き時間は、家族のために使うべき」だと思うかもしれないけれど、自分のために使った時間は、必ず家族関係によい形で影響するというのです。(18ページより)

忙しいときこそ自分を大切に

生活のなかでやるべきことが多いほど、自分のことは忘れがちになるものです。でも、忙しいからこそ、より自分を大切にすることが大事なのだと著者はいいます。忙しい時ほど自己管理が大切であり、次のセルフケアを忘れないようにすべきだとも。

1. 日常的な運動

エクササイズをすることによって、ストレスが緩み、同時に健康的になり、気持ちも前向きになります。

2. 十分な睡眠

睡眠不足は万病のもとです。仕事での効率も落ちますし、気分も優れません。子どもが赤ちゃんのときは特に睡眠不足になりがちですが、パートナーや家族などに協力してもらってできるだけ眠るようにしましょう。

3. バランスの取れた健康的な食事

健康的な食事は、植物にとっての水や太陽の光と同じように欠かせません。 (25ページより)

健康的な生活によってバランスが取れた日常のなかに、“マイタイム”を確保するということ。忙しすぎると、時間がないためパニックになってしまいがち。でも、きちんとスケジュールを立てて生活を管理すれば、どんなに忙しくても健康を保つためのいいバランスを見つけることができるといいます。

大切なのは、そうしたいという強い願望と決意であり、自分の人生を上向きに健康的にしたいという強い想いです。(26ページより)

それだけではなく、友人たちと交流したりして生活を楽しみ、リラックスすることも必要。楽しいことやリラックスできる方法は人それぞれ違うので、自分の好みで探してみればいいそうです。

たとえば読書が好きな人がいれば、音楽を聴いたり、自然のなかで過ごすのが好きな人もいるでしょう。あるいは、大勢集まって食事をするのが好きだという人もいるはず。そのように、みんなそれぞれ違ってよいのだということ。

ちなみにフィンランド人の多くは、「ひとりの時間が大切」というのだそうです。ひとりになって静かに過ごし、鋭気を養うというわけです。

だからこそ、まず自分のケアをしっかりすることが大切なのだと著者は強調しています。そうしなければ、人の面倒を見ることも、責任を持って仕事をすることもできないからです。

忙しいときほど、自分を大切にすべきだということ。人や家族のことを考えすぎたり、仕事に没頭したりして、自分のケアをおろそかにしないことが大切だという考え方です。(24ページより)

フィンランドは日本より10年早く少子高齢化が進んでいると言われ、共働き世帯は8割を超えているのだそうです。そのようなこともあり、本書のメッセージはきっと参考になるはずです。

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2018年4月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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