会社で評価されていない?サイボウズの副社長の「迷い」「悩み」への対処法

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カイシャインの心得

『カイシャインの心得』

著者
山田理 [著]
出版社
大和書房
ISBN
9784479797210
発売日
2020/06/10
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

会社で評価されていない?サイボウズの副社長の「迷い」「悩み」への対処法

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

カイシャインの心得 幸せに働くために更新したい大切なこと』(山田 理 著、大和書房)の著者の経歴は、少しばかり異例かもしれません。

新卒で日本興業銀行に就職して8年働いたのち、設立3年目だったサイボウズに転職。以後20年ほど経験を積み、現在はサイボウズ株式会社取締役副社長およびサイボウズUSAの社長を務めているのですから。

でも、人に自慢できるような「できること」は別になく、「こんな自分でもできること」をベースにやってきたからこそ、現在が、そして未来があるのだといいます。

そして同時に、いまは「これまで常識だと思われていたことが逆に非常識になる時代」だという確信もあるのだそうです。

僕は、「できないこと」ではなく「できること」をベースに自分の仕事を継続していくのが、これからの常識になると思っています。

プレゼンが苦手な人はプレゼンの練習に時間を費やすよりも、プレゼンが得意な人を見つけてきて任せ、自分はもともと得意なことにもっと集中すればいい。そのほうが、チームとしてのアウトプットは大きくなるはずです。(「はじめに」より)

親や上司や先輩がいう「常識」など気にせず、いまの感覚を信じて、これからの常識を新たにつくっていけばいいということ。

そうすれば、自分もまわりも幸せな働き方ができるということです。

そこで本書ではそんな考え方に基づき、仕事をしながら直面しがちな迷いや不安、疑問などへのアドバイスをしているわけです。

第2章「この会社、この仕事でいいのでしょうか?」に目を向けてみましょう。

自分の仕事に興味が感じられません

会社から与えられている仕事に対し、「なんで、そんなことをやらなきゃいけないのかわからない」と感じたことがある人もいるかもしれません。

しかし経験的に、「すごく意味がないように感じられること」にも、多くの場合は意味があるのだと著者は記しています。

「こんな無意味な仕事をさせるなんて、理不尽だ!」とみなさんは思うかもしれない。

でも、「理不尽」とは「理にかなっていないと“本人”が感じること」であって、ほかの人からすると「理にかなっている」場合もあるわけです。(87〜88ページより)

「理不尽に思えること」は、経験の量と反比例する傾向があるもの。

いろいろな経験を積んだ結果として知識の量が増えていくと、理不尽だと思っていたことも「なるほど、こういう意味があったんだな」と感じられてきたりするわけです。

ところが逆に経験が浅いと、世の中がどんな仕組みで回っているのか、そこに自分の仕事がどう関係しているのかが見えづらいため、意味がわからないのです。

意味がわからないままなにかをしなければならないのは、やはりつらいものです。たとえば、営業のノルマを「なにがなんでも達成しろ」といわれたとしましょう。

そのとき、達成したら、あるいは達成できなかったらどうなるのかが見えていないと、がんばる気持ちは起きづらくなるかもしれません。

個人のノルマは上司が適当に決めているものではなく、まずは会社としての理念や目的があり、それを実現するための会社全体の目標があり、それを各部署、各担当者の目標に落とし込んだものであるはず

したがって、そのつながりが部下に見えていないのだとしたら、それは上司の説明不足であるとも考えられます。

とはいっても、上司だってそれほど完璧な存在ではありません。

説明したつもりになっていたり、「そんな説明しなくてもわかるだろう」と思っていたり、それどころか上司自身も、自分たちの目標の意味がわかっていないということだってあり得ます。

そこで著者は、「自分の仕事の意味が感じられません」という人に対しては「上司に聞いてみたら?」と提案したいのだそうです。

そうすれば、わかるように教えてくれるかもしれないし、上司も答えられないかもしれない。いずれにしても「聞いてみなければわからない」のだから、愚痴をいうより前に聞いてみようという考え方。

サイボウズではそれを、「責任質問」と呼んでいるそう。納得できなかったり、おかしいと思うことがあったら、「そう思った人に質問する責任がある」ということ。

そして聞かれた側は、それに対してきちんと答える。それを「説明責任」といっているのだというのです。(87ページより)

同期とくらべて評価されていないのですが

会社で評価されていないという状態がつらいのは、「自分の価値が認められていない」「自分はこの会社にいていいのだろうか」という感覚につながるから

したがって、仕事をした結果として誰かから「ありがとう」といってもらえることがとても重要な意味を持つわけです。

ただ、その「ありがとう」の量やいわれ方などを、人とくらべる必要はないと著者はいいます。

自分は自分の仕事をやって、ちゃんと「ありがとう」と言ってもらえているだろうかーーそこさえ気をつけておけば、同期と比べてどうかということは重要なことではないのだと僕は思います。(111ページより)

もし「もっと評価されていいはずなのに、されていない」と感じるのであれば、自分が考えている仕事の価値と、会社やお客さんが求めていることとがズレている可能性も

「自分よりA君の評価のほうが高いのが納得できない」という場合も、自分には見えていない価値が、A君の仕事にはあると考えることもできるのです。

そこでこの件についても、「納得できないことがあれば質問してみましょう」と著者は提案しています。

そうすれば、自分に見えていなかった“ズレ”が見えてくるかもしれないから。

あるいは逆に、上司が「たしかに、君に対してはA君と同じくらいの評価をするべきだね」と上司が気づいてくれることも考えられるわけです。

「聞いたって、ちゃんと説明なんかしてくれない。だって、明らかにえこひいきだから」という場合も考えられないわけではありません。

しかし、それならそれで、そういう上司に自分も評価されるようにがんばるのか、あきらめるのか、異動や、転職を考えるのか、どうするかについても自分次第

いずれにしても、自分が幸せになるための選択をしてほしいと著者はいいます。(111ページより)

自分自身の経験値を生かしながらも、「若い人のほうが僕より詳しいことはたくさんあるのだから、どんどん受け入れよう」という姿勢を持っているところが著者の魅力。

そうした考え方がバックグラウンドにあるからこそ、本書の内容もスッと心に入ってくるのです。

Photo: 印南敦史

Source: 大和書房

メディアジーン lifehacker
2020年7月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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