『こいしいたべもの』森下典子著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

こいしいたべもの

『こいしいたべもの』

著者
森下 典子 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784167908942
発売日
2017/07/06
価格
814円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『こいしいたべもの』森下典子著

[レビュアー] 産経新聞社

 《一口食べたら甦(よみがえ)る、あの人の思い出》。昭和30年代生まれの著者が、幼少期から慣れ親しんだ味22品にまつわる体験、人、感慨などをたぐり寄せたエッセー集。

 父が好きだった少し焦げ目のついた焼きビーフン、停電の夜、ロウソクの灯を囲み、家族で食べた缶詰、遅い青春時代を象徴する夜明けのペヤング(ソースやきそば)。さらに鳩サブレー、コロッケパン、芋きん、ホットケーキ…。

 《母が野菜をスタスタと刻み、卵をカカカッと溶き…》などのシズル感や、昭和のどの家族にもあったようなやりとりが随所に。そこに浮かぶ「幸せ」が胸に迫る。(文春文庫・700円+税)

産経新聞
2017年10月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク