【気になる!】コミック 『流浪のグルメ 東北めしIII』
[レビュアー] 産経新聞社
『食キング』など食をテーマにした漫画を手掛けてきた作者が、東北を旅して描いた作品の第3作。宮城編、岩手編に続く今作の舞台は青森県だ。トラック野郎・錠二が、八戸のソウルフードといわれる「グラタンフライ」やせんべい汁、ホタテの貝焼き、素朴なウインナー、朝ラーメン…などをとにかく食べまくる。
作者は今年5月、68歳で死去。高級料理をおいしそうに描く漫画家はそれなりにいるが、普通のカツ丼やカレーを魅力的に描ける漫画家は極めて珍しかった。今作の食描写も食欲に訴えかける出来で、早すぎる死が惜しまれる。(土山しげる作、双葉社・1200円+税)