「女学生服」が100年かけてポップカルチャーとなり定着するまで

レビュー

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ニッポン制服百年史

『ニッポン制服百年史』

著者
森 伸之 [監修]/内田 静枝 [著]
出版社
河出書房新社
ジャンル
社会科学/民族・風習
ISBN
9784309750361
発売日
2019/03/27
価格
2,035円(税込)

書籍情報:openBD

百年かけて培われた「制服文化」の豊穣

[レビュアー] 西田藍(アイドル/ライター)

 女学生服には、百年の歴史がある。そして、その誕生も成長も、「女子学生」そのものの歴史とリンクしてきた。その「女学生服」がポップカルチャーとなり、定着したのが平成時代であった。

 ミニスカ、ルーズ、ハイソと流行してきたが、最新の制服トレンドは、パーカーやスポーツソックス、リュックなどのカジュアルなアイテムとの組み合わせ。「見たことない」という人もいるかもしれない。制服のトレンドというものは、地域、校風、校則が反映されるので、それがどう現れるかも複雑なのだ。

 昨年、前著『セーラー服と女学生』も紹介したが、本書は制服全般のカルチャー化がメイン。実在制服の着こなし、漫画・アニメ・ゲームに描かれた制服、九〇年代のギャル文化。制服メーカーの挑戦。海外への広がり。幅広い内容がぎゅっと一冊に詰まっている。

 私は中学時代から、いわゆる制服(女学生服)マニアであった。女子学生だったので、自身が着る女学生服に強いこだわりを持つことは自然であるが、学生でなくなっても、その熱量は上がるばかりであった。

 だが、本書でも指摘される通り、「コンテンツとしての女子学生」の姿と、実際の女子学生の姿は違う。その差が歯がゆい子供時代であった。そもそも、女子学生は、入れ替わっていく。そして、その「文化」は、学校から見れば規制の対象であったり、元女子学生から見れば懐かしの過去だったり、現女子学生から見れば、それは自分たちの中で完結するもので、わざわざ大人に伝えるものでもなかったりする。しかしそれも今は昔。

「制服文化」の豊穣によって、制服メーカーが作る制服も大きく変化し、学校が指定する制服ではない、「フリー制服メーカー」も大きく発展しているのだ。

 東京・弥生美術館にて、展覧会「ニッポン制服百年史」が六月三十日まで開催中だ。

新潮社 週刊新潮
2019年4月25日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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