『日本の鬼図鑑』
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『日本の鬼図鑑』八木透監修
[レビュアー] 産経新聞社
「福は内、鬼は外」の掛け声とともに節分の日、豆まきをした読者も多いだろう。人間を襲い、天災をもたらす悪しき存在として古来、鬼は恐れられてきた。しかし鬼は本当に悪なのだろうか。そもそも鬼たちは何者で、どこからやってきたのか―。謎の多い鬼を、豊富な絵画史料とともに多角的に捉えた一冊だ。
おなじみの酒呑童子(しゅてんどうじ)から、桃太郎が退治した鬼のモデルの温羅(うら)、鬼子母神、地獄の閻魔(えんま)まで、代表的な34の鬼を詳しく紹介。「鬼は人間の心が作り出した恐怖の象徴」と監修者が説くように、鬼を通して日本人の精神性も浮かび上がる。(青幻舎・2420円)