『女ことばってなんなのかしら?』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
【気になる!】新書『女ことばってなんなのかしら?』平野卿子著
[レビュアー] 産経新聞社
翻訳家が「女ことば」を手掛かりに男女格差を考察。
「とっとと失(う)せろ、この野郎!」。著者は男同士が殴り合う場面を訳しながら、男ことばの効用に気づく。悪態には不満や怒りを発散する力がある。女ことばの制約の一つは悪態がつけないこと。もう一つは命令ができないこと。「やめろ」は命令、「やめて」はお願い。痴漢に遭ったら女ことばではだめ、断固として撃退しなければならないと説く。
「のよ」「かしら」といった終助詞を使うなどの女ことばはドイツ語にはない。だが「行儀のよい娘は口にしない言葉がある」との指摘がドイツでもあるそうだ。(河出新書・946円)