『北の喜怒哀楽 45年間を北朝鮮で暮らして』木下公勝著

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『北の喜怒哀楽 45年間を北朝鮮で暮らして』木下公勝著

[レビュアー] 産経新聞社

 著者は昭和35年、帰国事業で北朝鮮へ渡った在日コリアン。約9万3000人に及んだ帰国事業参加者が北でどれだけひどい差別を受けたか。北朝鮮市民から「帰胞」などと蔑(さげす)まれ、住む場所から始まって仕事、結婚、監視・密告…。

 著者の娘は高校生のとき、朝鮮労働党幹部に奉仕する要員に選抜されながら、日本からの帰国者という理由で最終審査で落とされてしまう。“美女狩り”ともいわれ、高級幹部の慰みものになることもあった仕事に就かなかったのは、むしろ喜ぶべきだが、こんなところにまで帰国者への差別がついて回ったことに驚かされる。(高木書房・1400円+税)

産経新聞
2016年11月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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