『ピーターラビット™の仲間たち 写真集』
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【児童書】『ピーターラビットの仲間たち 写真集』菜十木ゆき著
[レビュアー] 服部素子
■絵本のシーンそのままの光景
世界で一番有名なウサギ、ピーターラビット。初の実写映画が話題だが、本書はその絵本の世界に魅了され、10年以上にわたって作品の舞台となったイギリスの湖水地方などで動物たちを撮り続けた写真家、菜十木(なとき)ゆきさんの写真集だ。
ウサギ、リス、キツネ、アヒル、小鳥、ブタ、猫…。自然の中でのびのびと暮らす動物たちの姿は、ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターが生きた約100年前を彷彿(ほうふつ)させ、いまにも鼻をヒクヒクと動かしそうな愛らしいウサギや、いたずら好きなリスなどが、絵本のシーンそのままの光景を、写真の中で繰り広げている。
菜十木さんは「絵本に登場する動物を全て撮る」という目標を立て現地に足を運んでいたが、達成寸前で病に倒れ一昨年、42歳の若さで亡くなった。残された写真には、ポターとその作品への敬愛がにじむ。
ポターが描いたイラストも多数掲載され、絵と写真を見比べながら、親子でピーターラビットの世界へ、空想の旅に出てみてはいかがだろう。(辰巳出版・1700円+税)
服部素子