仕事のパフォーマンスが高まる「デスクまわり」の整理術

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1日1分!お金も時間も貯まる 片づけの習慣

『1日1分!お金も時間も貯まる 片づけの習慣』

著者
小松易 [著]
出版社
祥伝社
ISBN
9784396616380
発売日
2017/12/24
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

仕事のパフォーマンスが高まる「デスクまわり」の整理術

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

1日1分!お金も時間も貯まる 片づけの習慣』(小松 易著、祥伝社)の著者は、日本初の「かたづけ士」。「スッキリ・ラボ」代表として、個人・企業向けに「かたづけ」のコンサルティング、セミナー活動を行なっているという人物です。

そのような立場に基づいて主張しているのは、「片づける」を卒業し、「片づく動き」を身につけることの重要性。というのも、片づけが上手な人の片づけの動きは、片づけが苦手な人には捉えきれないほど「速い」というのです。そして、そんな「片づく動き」は、日ごろ何気なくしている、たったひとつの動作を変えるだけで身につくのだとか。

それは、モノを「置く」という動作。

片づけが上手な人は、例えばオフィスで書類を手渡されたとき、それをデスクに無造作にポンと置きません。

受け取った書類が手の中にあるうちに、瞬時に、

1. 処理する

2. しまう

3. 捨てる

の3つの選択肢を考え、どれかを選択してすぐに実行しています。(中略)この「片づけスイッチ」を無意識にオンできるようになれば、片づけは必要なくなります。

片づけの上手な人は、片づけの動作が速いのではなく、片づけのスイッチが入るのが早いのです。(「プロローグ 『片づけ』から卒業しよう!」より)

だとすれば、「片づけスイッチ」をオンにする方法さえ身につければ、身の回りを散らかさずに済むのかもしれません。特にビジネスパーソンの場合、デスク周辺を整えておくことは大きな意味を持ちます。そこで、きょうは2章「デスク回りをスッキリ片づける」に焦点を当ててみることにしましょう。

どこから手をつける? どのタイミングで始める?

デスクまわりを片づけるときには、次の順番で行うといいそうです。

1. デスクの上

2. 引き出しの中

3. 足下

(80ページより)

デスクの上はパソコンと電話だけにし、引き出しの中はルールに従って片づける。そして足下の段ボールに投げ込まれた資料などを見なおし、捨てていくことが大切だということ。

多くの事例を目の当たりにしてきた著者によれば、業績が振るわない会社に共通しているのが「開かずの段ボール」の存在。いうまでもなく、2度と必要とされない資料が、いつまでもため込まれているような状況です。不要なものを捨てるという、当たり前で重要な決断を行わずにいるのですから、仕事だってうまくいくはずがないというのです。

「でも、なかなか片づける時間がないんだよなぁ」という声が聞こえてきそうですが、デスク回りを片づけるのにいちばん適した時間帯は、朝の終業時刻前だといいます。あるいは、さっさとランチを食べ終え、午後の仕事が始まる前の時間帯を利用するのでもOK。

いずれにしても大事なのは、座りこまないうちに立ったまますぐ始めること。なぜなら、座ってしまうとスイッチが入りにくくなるから。

片づけが上手な人と下手な人の違いは「はやさ」にありますが、それは「速さ」ではなく「早さ」。

つまり、大事なのはスピードではなくタイミングでいかに「すぐに、その場で」手をつけられるかが勝負です。(81ページより)

一度の片づけにかける時間は最長15分。長ければいいというものではなく、終わりの時刻を決めることで集中できるわけです。15分で終わらなければ、数日に分けてもいいそうです。また、人が見ている環境も大事。誰も見ていないと気を散らせてしまいがちですが、見られていればその目を意識することになるため、がんばれるということです。(80ページより)

いらないものをどう「リセット」する?

デスク上や引き出し、足下の段ボールに保存されているものの大半は不用品。快適なデスク回りを実現するためには、それらを処分したのち、必要なものだけをもとに戻す作業が必要。そう断言する著者は、整理・整頓の作業を「リセット」と呼んでいるそうですが、そのうちの「整理」を徹底することが大切だと主張しています。

なお整理は、次の4ステップから成り立っているもの。

1. 出す

2. 分ける

3. 減らす

4. しまう

(84ページより)

まずは先に触れたとおり、デスク上にあるもの(パソコンと電話以外)や、引き出しのなかに入っているもの、段ボールの中身などを全部出すことが最初のステップ。そして、山になったものとしっかり向き合い、「これから、これを整理する」と覚悟を決め、いちばん大事な作業である「分ける」へ。15分のうち、10分をこれに費やすくらいの気持ちで。

分ける基準は「使うか・使わないか」。もし判断がつきかねたとしたら、「使ったか・使わなかったか」で考えるべき。文房具類は職種によって使うものが違うだけに、「○○は残せ」とは決められないもの。そこで過去1カ月を振り返り、使ったか、使わなかったかを思い出すべきだという考え方です。

ちなみに「使えるか・使えないか」で考えるのがよくないのは、「もったいない」という感情に左右されてしまうため。(84ページより)

もう散らからない! デスクの配置ルール

デスクは収納家具ではなく神聖な作業の場なので、それにふさわしい状態に整えることが大切。そのような観点で考えると、基本的にデスクの上に置いていいのはパソコンと電話のみ。それ以外の資料やファイルなどはデスク上から降ろすわけですが、それらはきちんと整理すれば、大抵引き出し内に収まってしまうといいます。

次に引き出しの使い方ですが、大きく平べったい中央の引き出しには、なにも入れないのだそうです。なぜならこの引き出しは、日中に外出したり席を立ったりするときに、「作業中のもの」を入れるために一時的に使うべきだから。そのため、帰宅する前には、下段のいちばん手前のボックスに書類をまとめて空にするのだそうです。

その下段も含め、右側の引き出しはたいてい3段に分かれているもの。ペンや定規、はさみ、印鑑などの文房具はその上段へ。これらをデスク上に置くと、使われないペンがどんどんそこに集まっていくだけだということです。

中断に入れるのは、名刺ケース、本、辞書、電卓、歯ブラシなどエチケット関係のものなどの小物類。下段はA4サイズに対応した約10センチ幅のファイルボックスが5つ収まるので、奥の4つのボックスにはカタログ類や、分類した書類ファイルを収納。そして、いちばん手前の出し入れしやすいボックスに、先ほどの「作業中のもの」、いま進行中のものを。帰るときはここにしまい、翌朝、出社したらここから出して仕事をスタートするという具合です。

引き出し使いで重要なのは、開けたときに「なにがどこに入っているか」が一目でわかること。そのため、書類の平積みは論外。本も、タイトルの書かれた背表紙が見えるように立てて収納することが重要だそうです。(88ページより)

パソコンもリアルデスクと同じ

もちろんパソコンも、デスクと同じ感覚で片づけることが必要。

パソコンに入っている資料の置き場は、おもに3つ。すなわちデスクトップ、ハードディスク、会社の共有フォルダです。このうち、主体的に片づけられるのはデスクトップとハードディスクです。

まずデスクトップは、リアルなデスクの上と同じなので、極力スッキリさせたいところ。デスクトップにアイコンがたくさん置かれていると、煩雑なだけでなく、パソコンのパフォーマンスも落ちてしまうからです。そこでアイコンは、多くても縦3列に収めるようにすること。

ショートカット類は、会社からパソコンを支給された時からついているものが多いはず。しかし、1日に1回程度しか使わないものを置いておく必要はないので、なんども使うものだけを残しておくのがベスト。

しかし会社から支給されたものだけに、ゴミ箱に入れるのは抵抗があるかもしれません。そんなときはデスクトップに新しいフォルダを設け、あまり使わないショートカット類はそこにまとめてしまっておけばいいわけです。

ファイルは極力デスクトップには置かず、ハードディスクの「マイドキュメント」に収納。このとき重要になってくるのは、マイドキュメントがどのような要素のフォルダで構成されているか。そのため、一度、自分の仕事について「どういうフォルダを作成すべきか」を、4つくらいに分けて書き出してみるといいそうです。

著者の場合は「イノベーション」「マーケティング」「管理」「クライアント」だといいますが、「顧客創造」「自己研鑽」「事務」「プライベート」などとなる人もいるかもしれません。

そして、これらのフォルダをまた3〜4つに分岐。ただしツリーは、3つくらいにとどめておくこと。それ以上深いと、見つけにくくなるわけです。

保存するときのフォルダに、どのようなネーミングをするかも重要。漢字や仮名を使うと順番が入れ替わり、わかりにくくなるため数字がおすすめだそうです。なかでも最適なのは、日付で整理すること。イベントなどについては、開催日の日付にしておけば、「やってくる仕事順」に並べて整理することができるわけです。(96ページより)

著者は片づけを「新しい自分に出会うこと」だと定義しています。また、片づけてももとに戻ってしまう「片づけのリバウンド」を否定するのではなく、「片づけ上手へのプロセス」だとしている点にも注目。

闇雲に押しつけるのではなく、肯定的なスタンスに根ざしているからこそ、「やってみようかな」という気にさせてくれるわけです。片づけがうまくいかずに悩んでいる方は、手にとってみてはいかがでしょうか?

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2018年1月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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