『柴犬3兄弟 ひなあおそら わんダフルに生きる31の言葉』
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<東北の本棚>奔放な姿名言で味付け
[レビュアー] 河北新報
仙台で暮らす3匹の柴犬の日常を切り取った楽しい一冊。単なる写真集ではなく、1カ月楽しめるよう、偉人たちの31の名言を添えている。自由奔放な姿と含蓄ある言葉が不思議にマッチし、世の犬好きを優しく癒やしてくれる。
登場するのは長男「日向(ひなた)」、次男「蒼生(あおい)」、三男「空(そら)」。いずれも2011年生まれだが、日向はしっかり者、蒼生はマイペース、空は甘えん坊と、性格の違いがはっきりしている。
互いの個性を尊重し、付かず離れず暮らす様子は、目には見えない強い絆で結ばれているようだ。りりしい表情の3匹が並んで同じ方向を見据える写真にはこんな言葉を添えた。<愛-それはお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである>(サンテグジュペリ)
時には歯をむき出してけんかする。<怒る時に怒らなければ、人間の甲斐(かい)がありません>(太宰治)。すぐに仲直りして一緒に居眠りする姿には英国の詩人ジョージ・ハーバートの言葉が重なる。<もっと早く終わるように、少し休め>
著者は仙台在住の3匹の「母」。犬たちの日常を発信した写真共有アプリ「インスタグラム」が注目を集め、出版につながった。愛犬と一緒に暮らす幸福感が伝わってくる。
KADOKAWA(0570)002301=1166円。